忘れないで、守るから。2 ～君への心の手紙～

のどかへ 亮より

　亮は遊園地の観覧車を見ていた。それは、夜のためライトアップされていて輝いていた。

綺麗。

―――ありがとうございます。実は私も……

急に、あのときののどかの声が脳内に響いた。

ああ……俺は俺が嫌い。

のどかごめんね。あの時、何も言わないでなんて言って。

傷ついた…よね、きっと。

こうして観覧車を見ると毎回心が痛むんだ、すごく。

あの時そんなこと言ったのは、のどかのためなんだ。

もし俺たちが付き合っても、のどかが悲しむだけだった。のどかが一生懸命俺の事を探しても、のどかは俺を見つけることができない。だって、のどかは俺たちのこと見えなくなってたでしょ、どんどん。どこにいるの、どこにいるの？って探して、どこにもいなくて。のどかは良い子だから、優しい子だから、きっと悪い想像をしちゃうはずだよ。嫌いになったんだ、とかさ？　自分で自分の事苦しめてほしくなかったんだ、俺。

ごめんね。

こんな俺のこと、好きになってくれてありがとう。

もし俺が人間だったら、

ちゃんと命があったら、

のどかの本当の彼氏になりたかったな。

のどか…

今日は星がきれいだよ。

そして亮は観覧車に背を向けた。