山での暮らし


「最も大切なもの」

 物資が豊富な山では、最も大切なものは必然的に自分の身を守る基地になります。外敵も命を脅かしますが、一番の敵は天候です。快晴だと思っても、次に上を向いた時には雨が土砂降りかもしれません。特に冬に雨に降られて全身ずぶぬれになったとしたら、低体温症で動けなくなりかねません。絶対に、基地には屋根と火を用意しておかないと後悔します。


 仮にあなたがとてつもなく標高の高い高山にいるとしたら、まずは下山が第一目標です。身をゆだねられるところと水場を見つけながら、ひたすら下っていかないと、高山病になる恐れがあります。目安としては二千メートルを超える高所でもう高山病にかかる可能性があり、吐き気、めまい、怠さ、息切れなどが襲い掛かりま(1)。これらの大体の原因は酸素の不足ですから、やはりまずは酸素の多い低地に移動することが先決です。その際高地では決して急がないことが重要です。酸素が薄く、歩くだけで具合が悪くなる場所なのですから、急げるはずもないと思われますが。



「生き残るには」

 とにかく外敵や天候から身を守るために安定した基地を建築しましょう。洞窟なども効果的です。それに加えて、毒に注意します。どんなに順風満帆なサバイバル生活を送っていたとしても、毒キノコ、毒草、毒蛇などはいずれも一つの行動間違いで死を招くこともある脅威的なものたちです。物資が豊富なのですから、とにかく草などは絶対に安心と思えるもの以外は食べないことが大切です。

 標高が高い場所の場合、森林限界といって四千メートルを超える場所では木すら生えません。そうした場所からは速やかに移動すべきですが、どうしてもそうした燃料がない場所で野宿をしなければならないときは、ヤクなど、大型の草食動物のフンが燃料になります。においをかぐと仄かに牧草の香りがする塊がそうですので、覚えておくにこしたことは無いでしょう。




(1)高山病で死なないために -日本旅行医学会トピックス-http://jstm.gr.jp/knowledge/%E9%AB%98%E5%B1%B1%E7%97%85%E3%81%A7%E6%AD%BB%E3%81%AA%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB/



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