男と石

母を山に捨ててから、男は狂った。毎日、石を背負って山に入り「やはり置いて帰れねえ」と戻ってきた。だが、終には戻ってこなくなり、数日後、石の傍らに亡骸が見つかった。男は軽石のようだったが、石は男四人でようやく運べる重さだった。村人は皆、深く思った。


男のどこにそんな力があったのか。

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