松藤四十二 140字小説集

松藤四十弐

出会い頭

黒い影が飛び出してきたんです。急いで避けようとしたんですが、手遅れでした。音がして、柱にぶつかりました。ふと何かが動く気配がして、私は閉じていた目を開けました。不幸中の幸いか、まだ生きていました。その人間は車から降りて、私を抱きかかえました。今はもう野良猫じゃあ、ありません。

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