第17話 さらに森の奥へ
森に戻り、ゴブリンを避けながら森の奥へと向かった。
やむを得ず遭遇した場合は威圧で追っ払った。
ゴブリンは低ランクの新米冒険者のターゲットなので、また狩りすぎて迷惑をかけないように配慮した。
すると前方に新たな魔物の気配を捕らえた。
*鑑定
種族: オーク(豚?)
ランク: E
スキル: 斧術、強姦
弱点: 首、火魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(耳)、石斧、革、肉(美味)
おお! これが肉おいしいと噂の2足歩行をする豚のオークか。
手には石斧を持ち、身長は2m程でメタボ体型だ。
そして、顔は豚である。
オークはゆっくりと近づき、よだれを垂らしながら愛莉を品定めしているようだ。
不愉快だ!
「俺の愛莉をいやらしい目で見たお前は万死に値する!」
新たに作ったミスリルの短剣を抜き構えた。
「やるのか?」とオークは俺を睨みつけた。
「ふっ、やれるもんならやってみな!」的な挑発的な態度をとった。
俺は覚悟を決め、縮地で一気に間合いに入る。
「何っ!」と目を見開いた時にはすでに遅い。
跳躍で軽くジャンプし、剣で横なぎに首を切り落とした。
切れ味抜群だ。
依然の初心者装備では無理だろう。
「ごめんなさい。怖くて何もできなかったわ。ありがとう。それに俺の愛莉だなんて。ぽっ♡」
「オークはお肉がおいしいらしいから、なるべく傷め付けずに倒してね。」
話を逸らす。
「オークがおいしいのは定番よね。また氷なの? でも、たまには風も使ってみようかしら。」
付近にはゴブリンに混じってオークの気配が点在している。
ギルドの情報通り、オークが溢れているようだ。
次々とオークを狩り、奥へ奥へ進んで行くと段々と数が増えてきた。
オークは、それぞれ持っているスキルに応じた武器を持っていた。
冒険者から奪った武器であろう。ボロボロの武器が多い。
オークは経験値もおいしいが、肉がおいしいと聞くと狩りに力が入ってしまう。
どんどんインベントリにオークが収納されていく。
「愛莉、オークの数が増えてきたようだ。ギルドで言っていた集落があるかもしれないがどうする?」
「殲滅しちゃう?」
「おそらく殲滅も可能かもね。ちなみに俺は今Lv.35だけど、愛莉は?」
「Lv.32よ。周囲を更地にするくらいの魔法は打てるわよ?」
「自然を破壊してしまうのでそれは止めてね。とにかく余裕ってことね。でも、とんでもないボスがいるかもしれないし、もう少し周囲のオークを討伐してレベルを上げておこうか。」
「わかったわ。それじゃ、ガンガン行きましょう。」
*ステータス
名前: 田中 誠司
称号: 転移者、Eランク冒険者、愛莉の奴隷、愛莉の主人
職業: 剣聖↓
性別: 男
年齢: 15歳
レベル: 35
HP: 550
MP: 400
STR: 500
INT: 420
DEF: 480
AGI: 400
DEX: 400
Luck: 300
スキル
神眼、インベントリ、翻訳Sp、マップEX、全属性耐性、統率、全武術、
盗賊術、猟師術、生産術、魅了、物理攻撃耐性、魔物スキル、
全状態異常無効
魔法スキル
生活魔法、全属性魔法、時空間魔法、契約魔法
ユニークスキル
進化EX、複製EX、コンプEX、マイルーム改、全魔法適正、聖剣、付与EX、
魔力増大(極)、回復量増大(極)、鍛冶の極意、レア率UP(極)、
ジョブチェンジ、効能UP
冒険者ギルドで見た一般冒険者のステータスと比べたら、今の俺のステータスはおそらくBランクくらいはあるのではないだろうか。
この辺りにいる大抵の魔物は敵ではないだろう。
周囲のオークを狩りつつ、さらに集落があると思われる方向に進んで行くと一回り大きいオークが現れた。
*鑑定
種族: ハイオーク
ランク: E+
スキル: 剣術、強姦、土属性耐性
弱点: 首、火魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(耳)、錆びた剣、革、肉(美味)
今の俺たちにとっては上位種であろうと誤差でしかなかった。
俺TUEE状態で無双していく。
そして俺はLv.40になった。
《Lv.40になったため、マイルームが進化可能となりました。》
マイルームはレベル20毎に進化するのかな?
また何か新しい機能が開放されるようだ。
落ち着いてから確認しようと思う。
「愛莉、300m先に集落がある。やはりボスがいるようだ。密になってきたので範囲魔法で蹴散らしながら集落に近づこう。」
「了解。トルネードアタック!」
周囲に居たオーク達が竜巻に巻き込まれ、上空に数十m程舞い上がり落ちてくる。
落ちて動かなくなったオークをインベントリへ回収していくのが俺の仕事になった。
大方討伐し、さらに進むと入口らしきものが見えてきた。
「愛莉、集落に入る前にMP回復ポーションを飲んで回復しておいて。ちゃんと飲みやすいようにイチゴ風味に改良しておいたから。」
「前回は雑草すり潰しましたって感じの味だったわよ。飲み込めなかったんだから。飲みやすくなって良かったわ。」
イチゴ風味の特製中級MP回復ポーションを渡した。
愛莉は一気に飲み干した。
満足そうな顔をしているので気に入ってもらえたようだ。
入口にはハイオークよりさらに大きく、発達した牙を生やし武装したオークが居る。
*鑑定
種族: オークナイト
ランク: D-
スキル: 剣術、盾術、回避、強姦、水属性耐性
弱点: 首、風魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(牙)、鉄の短剣、鉄の盾、革、肉(美味)
オークナイトも同様、愛莉の放った竜巻に巻き込まれ飛ばされていく。
苦労せずに集落へ突入できてしまった。
集落を守っていたナイトが次々と倒されていった。
その異常事態を察知したボスが両脇に魔法役のマジシャンと回復役のプリーストを従えて威圧を放ちながら登場した。
*鑑定
種族: オークマジシャン
ランク: D
スキル: 火魔法、風魔法、土魔法
弱点: 首、光魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(耳)、杖、ローブ、革、肉(美味)
*鑑定
種族: オークプリースト
ランク: D
スキル: 水魔法、光魔法
弱点: 首、闇魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(耳)、杖、法衣、革、肉(美味)
*鑑定
種族: オークジェネラル(フィールドボス)
ランク: C
スキル: 斧術、強打、覇気、強姦、絶倫、統率
弱点: 首、風魔法
アイテム: 魔石、討伐証明部位(鼻)、バトルアックス、革、肉(超美味)、
骨、睾丸
空気が震える。
ジェネラルが放った威圧の上位スキルの覇気だろう。
状態異常無効を持っていなかったら間違いなく動けなくなっていた。
『なに! なぜ動けているんだ!』と焦り、自分が放心して動けなくなったジェネラルだった。
「チャンスだ! 両脇の魔法職を先に倒してしまおう。愛莉はプリーストをお願い。「了解! アイススピア!」 俺はマジシャンを。え?」
氷の槍がマジシャンとプリーストを貫いた。
俺がマジシャンをと言い切る前に倒されていた。
愛莉が何?って顔をしているが、まあいいか。
ジェネラルがマズいと焦りながらも斧を構えなおす。
「じゃあ、最後のジェネラルをやっちゃおう!」
俺は縮地で一気に間合いを詰める。
ハッとしたジェネラルだったが、すぐに斧を振り下ろす。
俺は斧を回避しながら足の腱を斬り、背後にまわる。
膝をつき、正面が開いたところで愛莉からの魔法が脳天に炸裂する。
「ライトニング!」
雷に打たれ、痺れて硬直するジェネラル。
俺は剣に風魔法を付与し、力いっぱいジェネラルの首を切り落とした。
首を無くしたジェネラルが崩れ落ちた。
インベントリに収納し、殲滅完了。
「ふぅ。終わったね。またここに住み着かれたら困るから焼き払っちゃって。」
「わかったわ。アースウォール。ファイアストーム。」
愛莉は周囲の森に燃え移らないように土壁で囲ってから集落を跡形もなく焼き払った。
日も暮れてきたので街に戻ることにした。
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