第29話 レイ、ギランのパーティーに入る

俺は今日一日の休みをどうするか悩んでいた。他の3人はもう出かけてしまい、誰かと過ごすということもできない。かと言ってこのまま宿で一日ダラダラしてるのももったいない。考えた結果ギルドに行って、俺一人でも何とかなりそうな依頼を見つけることにした。


 「ない……。」


 俺一人でできそうな依頼はどこにも無かった。弱い魔物は大概群れるし、単体でいる魔物と言えば1匹だけでも生きていけるくらい強い。

 (大人しく帰るべきかな…)


 「今日はどうしたんだ?いつものやつらがいないが。」


 諦めて帰ろうとした時にどこかで聞き覚えのある声がした。振り返ってみるとそこにはギランさんがいた。


 「ギランじゃないか。今日はみんな自由行動なんだ。」

 「自由行動でも依頼探しとはすげーなー。」

 「明日までに少しでもレベル上げときたくて。」

 「それなら俺たちと来るか?明日の下見をしに行く予定なんだが。案内人がいると助かる。」

 「いいのか?それなら是非行きたい。」

 「ありがとよ。それじゃあ20分後に門の前に集合な。」

 「はい。」


 それから俺は今日の昼ごはんを買って門に向かった。


 「ギランもう来てたのか。」

 「これといって準備することもないからな。」

 「それで、後ろにいる人たちはギランの仲間か?」

 「あぁ。今から紹介するよ。」


 ギランさんのパーティーは全部で前衛3人、タンク1人、斥候1人、後衛2人の6人だった。

まず前衛の3人ギランさん、弟のグランさん、リンさん、タンクのガルさん、斥候のハイドさん、後衛のソラさんサラさん。後衛の2人は双子だそうだ。そして俺の挨拶の番になった。


 「皆さんにはご存知だと思いますがレイと申します。今回は臨時ですがパーティーに入れていただきありがとうございます。足は引っ張らないようにするのでどうぞよろしくお願いします。」

 「よろしくな、レイ。それと俺らにもそんなにかしこまらなくていいぞ。ギランに接する時みたいにしてくれ。」

 「それではそうさせて貰います。」


 そうして俺達は俺がゴブリンと出会った森に向かって出発した。

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