EP3.「領主の屋敷にて」

ジョンソン「はあ……、はあ……、ようやく追い付いたぜ! ワルオ! サリー!!」


ワルオ「はっはっはー!! お前はのろいなジョンソン! この領主の屋敷の正面玄関の扉の前へ来るだけで、もうそんなに顔に出る程バテるなど、実に軟弱な男だ!!」


ジョンソン「……く! ワルオが何とも悪そうな表情をしてオレを見下しているっ! にしても何故こうなった!? 朝から何も食わずに突っ走ったからかっ!? 家からここまでの距離は1キロメートルも無いハズ! ……くそ! まさかお前ら二人に遅れを取るとはなっ!! とオレは悔しがった!!」


サリー「じゃあわたしは先に領主様と会って勇者の資格を貰いに行ってくるから、じゃあそういう事でお先にー。」


タッタッタッタッ!!


ワルオ「!! あっ、サリーが屋敷の扉を開けて早歩きで中に入って行きやがったぞ!! そうはさせるか! 勇者になるのは、このオレだっ!!」


ダダダダダッ!!


ジョンソン「!!? お、おい!? ワルオとサリーがまたそんな早い足取りで行くなんて!! さっきまで走ったばかりだろう!?」


ジョンソン「……仕方がない! 領主様の屋敷に入り一刻も早く勇者となるんだ!! ……てなわけで失礼しますっ! とオレは屋敷の扉をゆーっくり開け、両脇に居る警護担当の門番二人に頭を下げつつ中に入りワルオとサリーの後を追って行くぜ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る