第1話日常化した朝の光景。

朝一番に会うのが変態って・・・どうなの?



最高に良い天気。そう、朝起きて学校の校門に差し掛かるまでは、とても良い気分だった。


目の前に現れた人物・・・いや、アイツなんて虫で十分そう人類の天敵黒いテカテカしたイニシアルGのあれと一緒で湧いて出た現れたなんて言わない湧いて出たんだ!!


「悠紀~今日も可愛いな~愛してる~♡」



なんて世界の中心では無く、校門の前で愛を叫ぶ変態馬鹿さえ居なければ、気分は上々だった。そして叫んだ言葉は気持ち悪い。


その勢いで避ける間もなく抱きついて首筋をなで上げる変態こと、東条咲良・・・。


ゾゾゾという悪寒を感じ思い切り突き飛ばし蹴り上げる。



「てめぇは何しやがる!!」


首筋を抑えて叫ぶも相手は、ニコニコと笑っている。あぁ後で消毒しなくちゃと思いながらもヤツを見て後悔する。

ダメージすら快感に変える様に嬉しそうにうっとりしながらだらしない顔で笑っている・・・変態を前にどうしていいか解らなくなる。


視線を巡らせても、周りは遠巻きに見ているだけで誰も助けようとか思う奴もいない。

孤立無援で泣きたくなる。


「い~や~だってぇ俺の愛が溢れちゃって、愛を叫ぶだけじゃ足りなかったんだも~ん♪」



「・・・ば、馬鹿言ってんじゃねーよ!!この変態野郎!!」



青褪め叫んだついでに思い切り鞄で殴って昇降口に駆け込む悠紀。なんか素手ではもう触りたくなかったためだ。

ちょっと涙目でそれを見送る咲良。

そのやりとりをちょっと離れたところで見ていた腐れ縁の貴李が呆れて声をかける。だがその眼は冷え切っている。



「そこな変態、朝から後輩に変態行為を働くんじゃねぇよ!つか、頬抑えて笑うな気持ち悪い(--〆)」


「いよぉ~おはよ~ん貴李~って誰が変態よ?笑うなっつっても無理だしだって悠紀の愛情表現だもん。ツンデレなんだよ!!」


「ツンデレ?ツンしかないだろ?っていうよりアレだけ拒否られてるのに何でそんなに前向きなんだよ?ポジティブにも程があるだろ!!どMの変態が!!」



白い目でツッコミを入れる。鉄拳も忘れない。



「ちょっ!貴李。痛いんだけど゚(゚´Д`゚)゚」

「( `д´) ケッ!俺の愛情表現だ!有り難く受け取っとけ(`・ω・´)」


「いやん(*´д`*)そんな痛い愛は要らない~痛い愛は悠紀ちゃんだけ受け取りなの!!」


「・・・黙れ(--〆)そのムカつく口を閉じろ・・・永久に閉じとけ」


「いや。無理。だって悠紀に愛を叫ばないと俺死んじゃう」

「・・・そのまま死んどけ( `д´) ケッ!」



もう既に日常の会話になりつつあるそんなやり取りをしながら教室に向かった。

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