お勧めの作品です

  • ★★★ Excellent!!!

 労働に、心身共に蝕まれた森本智子。
そんな彼女の止めを刺したのは、他でもない、数多の人間を屠り去ったあのトラックだった。
「碌でもない人生だった」と、死の淵で己の人生を振り返り、そして亡くなった。
筈だった。
彼女はソフィアとして、二度目の生を享けた。

ただテンプレートをなぞっているのではなく、オリジナリティを出そうとしているのが読み取れる。
そして蔑ろにされがちだが、行動の裏付けがしっかりされているので、納得して話を読み進められる。
魔法や兵士等の存在から、世界の鱗片を覗くことができ、そして彼女の前世の記憶の件にも触れられている。
これらがどのように物語に関わってくるか、見ものである。
幼女になった主人公が、様々な人と関わり、仄々とゆっくり過ごすことが主軸になっているように思える。

これから幼女が少女になっていく過程で、身体的にも社会的にもできることが増えていくだろう。
その成長に合わせて展開される、頬が緩む話が個人的に読んでみたいと思った。
気になった方は是非読んでみては如何だろうか。