第10話 胸騒ぎ

2月。この日も寒い日だった、熱が少しあって体調がハッキリしなかったので欠席した。学校を休むことは殆どなく忙しい時でも早退はあったが、この日はズル休みをしてしまった。気疲れもあったのか、気がついたら眠ってしまっていた。

夕方まで寝ていたら、農協勤めの1番上の兄が帰ってきた。帰宅早々、功見!功見!と呼んでいる。まずいな〜ズル休みしたのがバレたか。布団を被って寝ているふりをした。すると今度は大きな声で、採用通知が来たぞ!!役場の係の人が学校へ持って行ったら今日は休みやと言う事で俺が代わりに受け取って来たんやで。通信兵や。

嘘だろ…急いで起き上がって兄の所へ行った。

4月25日山口県防府市 防府海軍通信学校に入校すべしと書いてある。

初めて耳にする場所だし、しかも遠い…それに通信兵って。海軍だからか通知書は水色で日の丸がついていた。往復ハガキに2つ折りで半分が旅費割引き券5割、あとは持ち物と注意事項が書いてあった。

なんと言っても目に付くのは呉鎮守府の角印だった。

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