遠き都に日は落ちて

みちふむ

エピローグ

朧月夜


菜の花揺れる東の古道

風の音 土の匂い 

恋文を散らす 桜

雪解けの小川に想いを流す


静夜の明かり

柔らかな霞

月を望む刹那はあたなと繋がっている


名を囁く南風に目を瞑り

芳しい香りは声に似て

朧の向こうに姿を想う


腕の中にいないあなたを

今宵も探している



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