第12話 逃げても変わらない

 私は、日本にいる事が嫌になり、NZまで放浪の旅に出た。住む所が変われば、変われると思った。しかし、多少の文化の違いは、あっても根本的な人間的思考というのは、言葉は、違ってもそんなに変わらないものであった。

 私は、現地のフリータイプのツアーバスのチケットを買い、バックパッカーとして、NZを一周する事にした。たまたま、イギリスの大学生達の卒業旅行に遭遇した。イギリス人は、日本人と似たような習性があるようで、グループ行動が好きみたいだった。先入観が強く、ちょっとでも英語が話せなそう、言葉が通じないと思うと全く近寄ろうともしない人もいた。

 そんな中でもカタコトの日本語を話せる中国人が私に話しかけてきたりして、「自分から積極的に行かないと何も始まらないよ!」と言われて「はっ」とした。私は、あの頃から何も変わってないんだなと思った。

 結局、何処に行っても変わらない。自分自身変わらなければ、変わらない。でも、そんなに頑張って自分を変える必要あるのかな?とも思った。ふと、進路指導の先生に言われた事を思い出した。「あなた、友達いる?暗いし、そんなんじゃ就職できないよ! 」

 そうだ、それで私、就職活動やる気なくしたんだ。本当の自分を捨てて、企業、社会が求める人材になりきる。それって、どうなの?なんなの?私の人生...

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