素晴らしきアイロニー

冒頭の台詞が某政党の機関紙連載の有名漫画から引っ張ってきていて、そのセンスでこの作品は面白いと確信しました(あの漫画、大好きなんです)。

この作品はいい意味でシニカルと言うか、物事に打ち込む人間を醒めた目で見ています。それでいて突き放してはいるけど深い愛情も感じられると言う、万事ウェットな私からしたらまあ羨ましい作風です。

登場人物たちは誰一人読み手の都合のいいように動いてはくれず、敵味方共に全力で明後日の方向へ爆走する取っ散らかりぶり。なのにクライマックス? で感じる謎のカタルシス。

戦いを終えて学生に戻ってゆく主人公たちになんか既視感あるなと思ったら、オタクのイベントやら集まりが終わって解散した後、やり遂げた充足感のような終わっちゃった寂しさのような独特のけだるさを思い出しました。

運動なんてものはしょせん学生がやるもんなんだから、本気ならプロになってからとことんおやんなさい。さあお祭りはお仕舞い。明日からテストが始まるよー。

イデオロギーに染まるにしてもその程度に留めるぐらいが丁度良さそうですね。