第11話 新社会人



へい キリ

文章書いて


いや、やっぱり止める


畏まりました。と無機質な声が部屋に響く


4月5日

入社式に行くために最寄駅までバイクを走らせた。


駅に着き切符を買い都内にある本社ビルに向かった

会社までは約一時間かかり

かなり時間も持て余していたのでスマホでゲームをしていた


電車は田舎を抜けどんどん都会になって行く

明日からこんな都会で仕事するのかと思うと胸が熱くなったが

三ヵ月後の研修明けに本配属が決まる

北は北海道から南は沖縄

そして海外にも支社がある


今まで、自分のやりたい事を我慢して勉強した

どうしても、大学に行きたい

母一人と弟二人の四人家族で私立の大学には行けない

そう考えていた。


猛勉強しながら少しでも学費の足しになる様に早朝のアルバイトもした

努力が実り実家から出る事になってしまったが

国立の大学に入学と成績上位者には学費の減免が出来たことから

勉強も上位に入りアルバイトも月10万以上稼いでいた


最初は寝れないことが苦しかったが

一ヶ月も過ぎれば体は慣れた。


俺の人生はこれから花を咲かせて

出世して稼いで

少しでも母や兄弟に美味しい物を食べさせてあげたい

弟達にも自分の人生の選択肢を増やしてあげたい


やりたい事が沢山ある


そうやって今まで生きてきた


4月9日まで

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