YOU＆I

team ＭＡＫ ここにきての

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俺「お菓子のレシピ集をありがとう、喜んでた」

Ｋ「やっと、面倒くさいお前好みから開放される」

俺「面目無い。大野さんは元気？　会話してる？」

Ｋ「高校時代（むかし）と同じ程度にな」

俺「相変わらず真面目だねぇ」

Ｋ「お前こそ、だろ？」

俺「それ程でも〜♪」

Ｋ「正直、俺は限界だがな。次に会ったら何をする

　か、自分でも判らねぇ」

俺「おや、いつも惚（とぼ）けてる癖に自白とは珍しい」

Ｋ「小出しにしねぇと、溜まった挙げ句に大爆発し

　ちまうだろ？」

俺「それは気付かずにゴメンね、聞きましょう」

Ｋ「いいのか、このままで。彼女もそのうち就活準

　備で忙しくなるだろうが」

俺「……はい？」

Ｋ「俺は話した。アンフェアは許さねぇぞ」

俺「う〜ん……そりゃね、お客様を相手にしてる間

　に年頃の草食（くさは）み坊やが手ぇ出すかも知れないと思

　うと、職務なぞブッチして側に居たい、とか思い

　ますよ？」

Ｋ「真面目には真面目で返せ。くれぐれも二十歳を

　卒業にまで延長するんじゃねぇぞ」

俺「ちょっと……意味不明なんだけど」

Ｋ「余裕ぶるビビリに発破かけてやる、ケツ出せ」

俺「そんなの……必要ないし」

Ｋ「もう一人のビビリが来る前に、早く吐け」

俺「敵わないなぁ、もう。あのね……思うんだよ。

　彼女の前には無数の道が広がり始めたばかりだ

　し、本来進むべき方向が有るのかも知れないなぁ

　って。好き放題生きてこの歳になったオレが横か

　ら引っ張ってるのは事実だし、この時代ならばそ

　んなに焦（あせ）らせる必要は無いんじゃないか―――

　って、痛い！　グーで殴らないでよ、せめてパー

　にして！」

Ｋ「殴られる理由が分かってるなら上等だが、敢え

　て言う。何でお前は正規ルート外なんだ？　もう

　子供じゃないんだ、彼女にも限界が有んの、判る

　だろうが？」

俺「想われてる間は全力で愛すし、愛想つかされた

　ら……その時は、その時だよ」

Ｋ「手放す気などハナから無ぇくせに、どの口が言

　うんだ、どアホが。それでも欲しがらないなら、

　彼女の為にもとっとと止めちまえ」

俺「あはは……今日のけんちゃんは容赦ないね、

　本当に珍しい。それよりそっちだよ、いい加減

　伝えたらどうなのさ？」

Ｋ「ちっ、お得意の微笑で誤魔化しやがって。俺が

　人妻相手に何を言えるってんだよ、馬鹿者が」

Ａ「お、いたいた、菓子折り頼みに来たんだけど、

　もしや俺抜きで密談か？　寂しいじゃんよ！」

Ｋ「はぁ……ビビリが増えやがった」

俺「あー、はいはい、スミマセン」

Ａ「何、ボソボソ言ってんだよ。それに、相変わら

　ず扱いがぞんざいだぞ、お前ら」

Ｋ・俺「アッキーだし！」

Ａ「いい加減にしろ、こらーーっ！」