16,セントラルパークへ 最終日

 最終日にしてやっと晴れた。ホテルチェックアウト後、荷物を一時的に預かってもらい、まず地下鉄で79丁目へ。博物館の裏に店が並んでいたのでゆっくり見てみることに。


 カフェやら雑貨屋やらたくさんお店があった。お茶のお店に入って、試飲したあとなぜかココで日本茶を買った。なぜここで日本茶買った? とあとで思ったが、確か缶がやたらかわいかったんだ。その後土産定番ショップのゼイバーズにいってトートバッグやら買ってコロンバスサークルへ戻った。


 小腹が空いたのでホールフーズへいき、軽食を選ぶ。一番お世話になったスーパーかも。職場へのお土産もここで買ったんだ。次にセントラルパークへいって入り口のすぐそばで果物とスープたべてた。この味噌パックみたいなパッケージのカットフルーツ、700円くらいするけどよく食べてた。日差しを拝みつつ、ベンチでNYの空気をゆっくり感じた。


 外国に慣れてきたころで、一番リラックスした時間を過ごせたと思う。今日帰るのがもったいなかった。次回のオープンマイクにも参加したかったし、アポロシアターもハーレムもゆっくり見たかったし、ブルックリンとかソッチ方面にも行けばよかった。…といろいろ考えてしまう。


 すると地元民みたいな人に、ホールフーズの場所を聞かれて驚いた。Tシャツジーンズに手ぶらのブロンドボーイなんて、明らかに地元民だろうに「ねぇ、それホールフーズだよね? 近くにあるの? どこどこ?」と聞かれびっくり。「コロンバスサークルの近くだよ」と指さすと彼は「サンキュー」と去っていった。ほんと、こっちの人は、気にせず人に話しかけるな。


 街を出る時間が迫ってきたので、荷物を受け取りにホテルへ。空港までのバスがでるグランドセントラル駅へ向かう途中「ヘイ、ガール」とどこからか呼ばれた。「え? 自分?」ときょろきょろしてると路駐してるトラック運転手が自分を呼んでいた。


 なにかな?と思って近くまで行く自分。あとで思った。もっと警戒しろよ…と。

「なに?」と聞くと「ねぇちゃん、いまからメシいかねぇ?」と言うのだが「ごめんもう日本に帰るんだ」と言うと「それならこれでウマイもんでも食べろよ」と20ドルくれた。

 …のだが、さすがにビビッて受け取らなかった。所持金使い果たしてた(交通費のぞく)から貰っちゃってもいいかなと思ったけど、日本でもこんな経験あまり無いのでビビりました。

「ごめん、いらんわ。ありがと」と言って地下鉄に乗った。


 もしメシにいってたらどこに行ってたんだろう。何を喋ってたのだろう。

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