第38話 修羅

 ~平本side~


「行こうか。」


「うん!」


「うん……!」



 何かめっちゃ先輩が笑顔だけど……仲が深まったなら良かった。人と仲良くなっておいて損はないからね。世の中には無駄な人間関係を築かない人をいるみたいけど、自分はそうは思わない。


 ある程度仲が良いってだけで人は助けてくれるからね。


 まあ、ラーメンに行くんだから仲良くなるのも時間の問題だっただろうけどね!



 ~三輪side~


 やったぁ!


 平本君と一緒にご飯を行ける事になった!


 二人きりじゃないけど……


 ラーメン食べ終わった後に二人きりなれるけどね!


 尻店路駅周辺は大人のホテルが多かったから……そのままの流れでいけるかもしれない!



 いやでも……高校生だけでホテルで休憩できるのかな……?



 光速で調べよう……


 …………………無理なのか……………


 制服着ていなければ入れる可能性があると……

 学校帰りじゃ無理があるわね。



 ゆっくりとじっくり確実な方法を探そう。




 ~高瀬side~


 怖じ気づいた瞬間に僕は負ける。


 気合い入れて行かなきゃ……!


 これは食事会とか、そんなものじゃない。


 だ。











 ***



 一行は尻店路駅に到着した。


「駅にはついたが、天上一品の場所が分からん。高瀬頼んだ。」


「うん、任して!」


「私わかるよ、平本君!まずは目の前のコンビニがある角を右に曲がるの!」


「え……」


「あ、ありがとうございます。」


「任せてよ!私この辺結構詳しいんだよ!だって中学がこの近くの尻店田中学だったからね!」


「なるほど、じゃあ……」


「……っ、大丈夫だよっ!僕も今住んでる場所に引っ越す前は尻店路に住んでたから僕も詳しいんだよ!」



 な、なるほど……


 詳しくないのは俺だけということか……ふーん……


 べ、別に、疎外感とか感じてねーし!!!


 ぷん!



 すると先輩は高瀬の耳の側に近づいて何かを呟いた。

 生憎こちらからは聞こえなかったが、何か一悶着起こりそうな気がした。







 ~高瀬side~


 怯んだら駄目だ……!


「……っ、大丈夫だよっ!僕も今住んでる場所に引っ越す前は尻店路に住んでたから僕も詳しいんだよ!」


 や、やってやったぞ!


 一回でもやってしまえば自信はつく!でも、正直この後三輪先輩に何されるかは全く見当もつかないけど……


 先輩の行動なんて予測する事はほぼ不可能だし、一直線に突っ切る事しか出来ないからね。



 !?


 ま、まずい!三輪先輩がち、近づいてきた……


 すると三輪先輩は僕に耳打ちをしてきた。



「ここは私に合わせてくれない……?」


「い、いやです……」


「どうして?」


「あの……戦ってるから……」




 ~三輪side~



 これで平本君からの好感度が上がった!気がする!


 この調子でどんどんたたみかけて行くよ!


「……っ、大丈夫だよっ!僕も今住んでる場所に引っ越す前は尻店路に住んでたから僕も詳しいんだよ!」


 フフフ、高瀬くんも役に立ちたいのね♪


 けど、ここは私に協力してほしいかな。


 人の役に立ちたいっていう気持ちは分かるけど、ここは譲ってほしい。


 もしかしたらあの時の言葉を忘れてるのかも!


 仕方無いわね、ちゃんと言葉で伝えないと分からないもの。


「ここは私に合わせてくれない……?」


 これで分かってくれるかな?


「い、いやです……」


 嫌って……まだ思い出してくれないのかな?


 けど理由も聞いてみるかな。


「どうして?」


「あの……戦ってるから……」


 ……???


 どういうこと?


 戦ってる……?一体どういうこと……


 分からない、本当に分からない……


 戦う……って何と……?





 どういう……









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ちょいと短めですが良い頃合いなので。

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