第29話 自分を律する

 図書室のPCでお笑い芸人のコント、漫才動画を観て心の中にあったことを一旦忘れさせる。


 それでもコントの中に恋人が出てきたりすると、一瞬頭によぎる。


 すると後ろから肩を叩かれた。ヘッドホンを外し後ろを向く。


「閉館時間になるので……」


「あ、はい。分かりました。」


 カウンターにヘッドホンとPC使用許可証を返し帰路を辿る。



 結局僕はどうしたらいいんだろう。


 平本君が好きなのは確かなんだ。


 けど、平本君に打ち明けたときにどう思われるのかが怖い。打ち明けてもきっと平本君の事だから絶交みたいな事にはならないと思う。けど自分が心の底でどう思われているのか考えただけでも心にモヤがかかる。


 そもそも自分はゲイなのか。恋愛対象は今までは頭の中では女性だと思ってた。けど自分はいわゆる“バイセクシュアル”なんだと自覚した。この事実を受け止めるのにも不思議と抵抗がなかった。自分の心にスッと入ってきた。以外にも抵抗が無いことにも自分も驚いた。


 きっと平本君だったらっていう考えがあるんだと思う。


 自分は昔からひ弱で言うなれば「男らしくない」男だった。


 そんな自分だからこそ男らしい人には憧れた。


 女性の趣味も強い人、きっと自分は「男らしい」「強い」「男の友情に対する気持ち」に惹かれるんだろう。


 もし相手がこんな人だったら、自分はそれに甘えるだけでいいのか。


 今日観たコントでも芸人さんが言ってた。

「諦めようと思っても諦められないのが人間の性、飯がべらぼうに旨いのが佐賀、893が持ってるのはチャカ、人間が外すのはたが、風呂で浮くのは垢、雅な気分になるのは和歌、皆が大好きなのはママ、自転車漕ぐ時に一番きついのは坂、(以下省略)。」


 自分の心の中では諦めてるつもりでも、きっとそれは諦めることができてない。


 それを理解できたのはとても大きい。良い収穫だと思う。


 それを踏まえて、この電車の中で、僕は思った。




 絶対に諦めてはいけない。諦めることなんて出来ない。



 ここは平本君……博大を獲る。




















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男らしくなれましたね。これは期待大。


バンバンコメントして下さい。そのコメント、めっちゃ嬉しいです。


批評も頑張って受け止めます。


がんばるぜ

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