Lotus7日記

深町珠

第1話 なぜかロータス7レプリカ

それは、1994年の事。

バブル景気だったのだろう、外車が安くなってきて・・・。


それまでホンダCR-Xを二台乗っていた。

気に入っていた1代目は、EF-7、サイバーCR-Xで

まだVtecが無い頃、重量が820kgと軽く、コーナーが最高に楽しかった。


けれども・・・街中を走っていて。パチンコ屋から出てきた130Zにぶつけられて。

それ以降、なんとなく走りにくくなった。

で・・・。2台めを買ったが。

SiRが出た後で、同じシャーシでも880kgになり

なんとなく、シャープに曲がらなくなった。



CR-Xは、コーナーが面白かった。

FFなので、後輪が無くても走れる。

そんな感じだから・・・・。


コーナーに入り、アクセルを踏んだままハンドルを切り

若干滑っているところでアクセルを戻すと・・・。


きゅっ。


急にハンドルが効く。右に切っていれば

テールが左に出る。


ぴゅっ。


それを邪魔しないように、後輪はラバーマウントになっていて

若干揺れるように出来ている。


だから、冬の日とか

タイヤが冷えていて、全開加速をしながらハンドルを左右に切ると

後輪が左右に、勝手にスラロームする。


雨の日なんかはとっても面白いが、ヘタに乗るとクラッシュする。


そういう危うい面白さがあった。




で、二台乗って、マスターした感があった。

箱根では下り最速マシンだった。


何をやっても怖くない、そういう感じになってきて・・・・。

ちょっと物足りない気持もあった。



いろいろ峠で面白い話はある。

下りコーナーでブレーキを踏まず、前述のタックインでコーナーを回ったら

ついてきたベンツ300Eがコースアウトした話とか。


まあ、FFと同じラインで通ろうとするのが無茶だけど。


そのあたりは、また別の機会に書きたい。


それで、当時出ていたTipoと言う中綴じの雑誌を見ていたら

キットカーが沢山載っていて。



値段も300万円しなかったので・・・。これでもいいかな、と思っていた。




どうせ、エンジンは日産のSR20あたりにしようと思っていた。

当時、流行っていて。改造が。


友人で、そういう奴が居て(スーパー7と、road、に出てくるFJ20ETシルビアの彼。

ホントにああいう奴)。


一緒にやろう、なんて思っても居た。


実際、乗ってみるとパワーはもう、余るくらいあるので。

なんと言っても、500kgちょっとの重さだから。130psもあれば十分速いのだ。



どのくらい速いかと言うと・・・箱根の上りでもR32GT-R辺りと同等。

そのくらい。


まあ、あちらは1400kgくらいだったから、そうなる。

パワーあげても、コーナーじゃ持たない。タイヤが。




いつだったか、箱根のR1を登っていて。ゆっくりと。

不思議だけど、7でそんなに飛ばそうと思うことはない。


クラシックカーに乗っているような、なんというか、ゆったり感があるのだ。

排気音と風を楽しもう。そういう気分で

せいぜい80km/hくらいまで。


そういう感じだった。


もちろん、飛ばせば速いことは速い。




・・・・ある日、そんな風にしていると

後ろから、R32が付いてきたので。

スロー・ダウンして。箱根に良くあるパーキングに入れた。


R32が先に行ったので、俺はゆっくり走って、出た。


けれども、コーナーふたつくらいで追いついてしまう。

そういう感じだった。


全然無理をしなくても、するっ、とコーナーを抜けられてしまうので

速いと言う意識がない。



あんまり接近するとアレだから、すぐに車間を取ったけど

まどろっこしいので、登坂車線から追い抜いていったりした事もあった。

そのくらい、コーナーは速い。


ひゅっ。


そういう感じ。



ドリフトとか、そういう難しいことをしなくても、である。




軽いって大事なのだ。



R32が、恐ろしい音を立てて加速し、減速している



ききー、どどどど。ばおーん。


横を


無音ですっ。と。

そういう感じだ。




もちろん、全開で飛ばせばとても刺激的なのだけど

刺激が強すぎて、疲れる(笑)。



ガソリンタンクも小さいし、後ろについているので

満タンにするとこぼれる(笑)から

半分くらいしか入れられないので・・・・。



飛ばせば、ね。(^^)。


朝、箱根に登ると8時くらいには

亀石あたりでガソリンスタンドが開くのを待って居ないとならなかった。


ガソリンを沢山積むと重いのもある。




これに乗って、公道でバトルって・・・ほとんど車選びかな、と・・・思った。



まあ、「7」はレーシングカートみたいな代物だから

あれがクルマかといわれると、No。だろう(笑)。


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