第1話 恵那の日常 その1

『キーンコーン、カーコン、―――』


 帰りの会も終わって、学校の終業チャイムが鳴る。

 私は帰る身支度をして、教室から出ようとすると、クラスメイトから声を掛けられる。


「恵那ちゃん。今日一緒に遊ばない?」


 クラスで良く話す女の子から、遊びのお誘いを貰うけど……


「ごめん~~」

「今日は、買物の日だから遊べない~~」


「そう…残念だね。また、誘うね…」


 そう言って、クラスの女の子は去って行く。


「うん…。ごめんね…」


 私はクラスの女の子にそう言って、家に帰るため教室から出る。

 買物に行くのに私は一度家に戻る。それは、ランドセルを置きに行くためだ。


 前はそのまま、学校からスーパーに行っていたけど、今は変な人が多いらしいから『ランドセルを家に置いてから買い物に行って』と、お姉ちゃんに言われた。

 実はこれが面倒なの……。家に帰る途中にスーパーが有るから、そのまま寄って行けるのに……


 でも、変な人には襲われたくないし、お金も学校に持って来ては、いけない決まりだから、仕方が無いかなと思っている。

 私は一度家に戻って、ランドセルを置いて、近所のスーパーに向かった。



 近所のスーパー……


「今日は何にしようかな~?」


 私は店内を適当に見回る……

 野菜コーナーに行くと、キャベツがタイムセールで1玉77円で売っている!!


「あっ…、キャベツ安い!」


(うっ……でも、キャベツまだ家に半玉(半分)も残っているし、どうしよう?)


「う~ん……。どうしよう。キャベツ~~」


 キャベツの山の前で立ち止まる私。

 他の買い物客は、私の事をチラ見して『邪魔だな……』の顔しながらキャベツを持って行く。私はしばらく、キャベツの山の前で悩んだ。


 ……


 結局…キャベツは買ってしまった。

 安い時に買って置かないと、何だか損した気分に成るから。


 でも、しばらくはキャベツを使った料理を考えなくては……

 野菜炒め、キャベツのサラダ、キャベツがたっぷりのスープ、後は何が有るのだろう?


 キャベツは日持ちがする野菜だから、慌てて食べる必要も無いけど、うっかり腐らせる時も有るから気を付けなければ!!

 腐らすともったいないし、世の中には食べたくても、食べられない人も居るから、感謝して食べなければいけないと私は思った……

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