異世界転移したら職業調教師 最強ヒロイン達を使役して天下統一します

プロローグ

　どこまでも青空が澄み渡り、大きな入道雲とのコントラストが美しい。

　見ていると吸い込まれそうな深い青に、耳をつんざくようなセミの大合唱を聞いていると、気が遠くなってきそうな感覚になる。

「暑いな……」

　土御門春近（つちみかどはるちか）は呟（つぶや）く――――

　入学して初めての夏休み、皆でキャンプに行こうという事になり、駅前に集合する事になったわけだ。

　先程から、やたらと周囲の視線を感じる。

　それもそのはず、オレの隣に凄い存在感を放つ女子が居るからだ。

　オレの隣に居る女子

　赤みがかった髪に見事なプロポーション、妖気が漂っていそうな不思議な雰囲気を漂わせているのが酒吞瑠璃（しゅてんるり）。

　まるでサキュバスのような見た目をしているが同級生だ。

　反対側に居るのが茨木咲（いばらきさき）。

　栗色の髪をボブカットにしていて、よく似合っている。

　ヤンチャそうな見た目だけど、実はとても良い子だ。

　その隣が鈴鹿杏子（すずかきょうこ）。

　メガネの委員長だ。

　一見真面目そうな見た目だが、実は面白い性格をしている。

　もう一人が源頼光栞子（みなもとのよりみつしおりこ）。

　御令嬢らしいのだけど、たまにオレをストーキングしているみたいなので要注意だ。

　そんな感じに心の中で周囲の女子を紹介していたら、残りのメンバーがやって来た。

「はるっち～　おまたせー」

　先頭で手を振っているのが羅刹（らせつ）あい、後ろのやたら威圧感の有るのが大嶽渚（おおたけなぎさ）、背が高くて優しそうな人が阿久良忍（あくらしのぶ）、ちっちゃいロリ体形なのが百鬼（ひゃっき）アリスだ。

「全員揃ったね。では行きますか」

　オレ達は電車に乗る為に、駅前のベンチから立ち上がった。

「何か変です！」

　アリスが、突然何か言い出す。

「ハル！　伏せて何か変だよ！」

　ルリも何かに気付いたようだ。

「え、何っ？」

　突然、オレ達の周囲の空間が隔絶（かくぜつ）されたような、不思議な現象が起こっている。

「何だ、これ……壁のような……？」

　あまりの意味不明な状況に思考が追い付いていかない。

　オレ達を囲むように空間が球体に切り取られ、球体の内と外では全く違う世界のような感じだ。

　　さっきまで普通に青い空を眺めていたはずなのに……今は空は見えず球体の向こう側は何も無いように闇があるだけだ。

　そして、眩い光が満ちてオレ達の意識も遠のいていった――――――――

　※この物語は、別作品『陰陽学園の鬼』のアナザーストーリーになっている、まったりした異世界物語です。

　不定期で連載しますので、できたら温かい目で見守っていて下さい。