第17話 再来と俺

※●はアイコンです。

秘境のカルマ uwatwitter

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3月11日 13:00

13日に東京行くぜ!!


コメント

●え!?ほんとに!?

●とうとう出てくるのか!!

●私はファンキーレッドに会いたかったです。

↳カルマ:彼は殉職しました。

↳●彼だったのか・・・・。

●ワンちゃんは!?!?

↳カルマ:遠すぎるから連れていけねえ。


3月11日 13:21

ちょっと野暮用で。5日間くらい??

東京の観光もするだろうから、動画取ろうかなあ・・・


コメント

●ぜひぜひ!!

●てか、1人!?

↳カルマ:あ~2日間くらい1人かもな。

↳●大丈夫か!?!?

↳カルマ:1回歩いたし、大丈夫っしょ!

↳●それはフラグというものでは・・・!?!?

●動画!!普通に見たい!!


3月11日 14:11

そんなに観光できねえかも。

用事が長引きそう。


コメント

●用事って何??

●アイコン良いね!!

●東京は怖いどお~

●マジで!!おお!!東京の原宿は行ったがいい!!きっと驚く!!

↳カルマ:行ったことあるぜ!!

↳●あんの!?

↳カルマ:今回人生で2回目の東京だな!!


3月12日 9:32

おは~。見てけろ。俺の枕。

”虎徹が足元でヘソ天している様子”


コメント

●ぎゃんかわ

●ちっちゃいトラみたい!!

●顔をうずめたい・・・・

↳カルマ:うずめました。

●シュヴァルツたんとクレイたんは!?!?

↳カルマ:庭で遊んでた。


3月12日 13:01

知ってる?このズボン穴空いてるけど、ファッションなんだと。

俺の服も似ようなもんだよなあ・・・。

”ズボンと古着(上)の写真(じっちゃんに撮ってもらった)”


コメント

●草

●草

●なぜか古着もおしゃれに感じる・・・

↳●それwww

●いい足してますなあ。(屮*`ཀ´*)屮ぐへへ

●まっすぐで浦山


3月13日 8:20

空港着いた


●東京かね

●迷うなよ~

ーーーーーーーーーー



「俺。試練に立ち向かうなり。」


この間買った服と靴を装備して。肩にはリュック。

5日分の服を入れたボストンバックはかなり重たいけど、それももう少しの辛抱だ。

羽田空港まで編集長が車で来てくれるらしい。


編集長が来てくれるまで、俺は新たなる挑戦をしようと思い、ここに立っている。



「プラネックス(Planecks)・・・・ね。」


なぜだろうか。1カ月ほど前にもこのお店を見たわけなのだが、どうにも入りにくい。じっちゃんと俺が、お店の前でメニューを見ていると、キラキラ、ピシッとした人たちが入ってゆく。

また、聞こえてくる内容はふらぺ・・・なにがしやら、グランデ??やら。


思わずじっちゃんを振り向いて、全力で顔を横に振ってしまっていた現場だ。


前回お店の名前は確認するほどの余裕はなかったが、今回は違う。看板も見るし、実際に注文してやろうと思うのだ。

だが、込み入ったものを頼む勇気はない。

でかい看板になっていた、桜色の飲み物を頼もうと思う。


「うしっ。行くか。」


戦場は目の前だ。

俺は肩から下げるボストンバックを持ち直した。




*******



「こんにちは!何をお召し上がりになりますか??」


レジに並び、自分の番になると緑のエプロンをしたお姉さんが話しかけてくれた。はきはきとした、元気そうな人だ。


驚いたことに、俺の持っているバックを見て「重たそうですね!カバン!」と雑談までしてくると来た。

これは隣の小林よりもコミュニケーション能力があると見た。

東京の人は冷たいと思っていたぜ。


「あーっと。看板にあった奴の見てえなあと思って入ったんだけど。」


こわばっていた顔が少し緩む。


「あ、はい!さくらかおる ベリー フラペチーノですね!!サイズはどれにいたしますか??」


俺がしゃべると、少し驚いたようにして、飲み物のサイズを問いかけてきた。

サイズか・・・。


俺の顔がどうやら悩みがあると伝えてしまったらしい、彼女は続けて教えてくれる。


「小さいほうから、ショート、トール、グランデ、ベンティとなっております!」

「べ・・・べんて???」


グランデ??べんてぃ??初めて聞く名だ・・・。


「はい!ベンティですね!!」

「えーっと。外で歩きながら飲みてえんだけど。飲みやすい大きさってどれですかね・・。」

「でしたらトールがいいかと!!私はよくトールを頼んで、飲みながら帰ったりしてます!!」

「じゃ、それで???」


まだ俺はべんてぃにいたので、トールがどれくらいなのか考える間もなく、言われたとおりに支払ってしまった。

まあ、多分説明されてもわかんなかったからありがたかったけど。


ずれてお待ちくださいね~と言われ、レジの前から速やかに排除される。

すると、ずれたところにいたのはイケてるお兄さん。


「こんにちは~。お兄さんかっこいいですね~。今日はどちらから??」


これまた驚いたことに、こちらの方もコミュニケーション能力が高いと来た。


「熊本からきましたっす。」

「そんな敬語なんて使わなくて大丈夫ですよ~♪」


思わず敬語を使ってしまった。

こうも距離を詰められるとびっくりする。

東京の人は冷たいけどハートは熱いんだぜって言ってたのに、ここは全然違うんだな。


「な・・・なんかすごいなあ。ここの人皆コミュニケーション能力高けえのな。」


驚いた顔のままお店員に言うと、さわやかな笑顔で、


「こんな風に話しかけられるようになったのもここ1ヶ月くらいですよ~。」


と、言われた。

かなり好感が持てる。


かなり田舎臭い発言をしたと自分でも思うのだが、さわやかな笑顔と、さり気なく自分も努力したんだという親近感を感じさせるトーク。

これは・・・いい!!


「へええええ!!スゲーいいと思うぞ!!全然偉ぶらないし!!」

「ふはは!!」


何それすごい和むんだけど。となぜか笑いながら言われた。


「はい。こちら商品ですね。よい旅を。」




店を出たところで時間が気になった。


(編集長もう着いたか?そろそろ約束の時間だし。着てなかったとしても向かうか。)


仁は、駐車場へと歩みを進める。


駐車場へ向かう道中、仁は早速買ったものを飲んでみた。

ズズズッ。と、勢いよくすする。


甘ったるいが、桜っぽさもあるし、ベリー。ラズベリー?の味もする。

この酸っぱさが逆にいいな・・・。


店員もよかったし、味もよし。

まだほかにもメニューあったから、今度また行こうと決めた仁だった。




しばらくして、飲み物の容器に何やら書いてあるのに気づく。


「なになに??周りの人を幸せにできる笑顔を持ったお兄さん。よい旅路を。☻」


どちゃくそいいお店じゃないか!!!!



******



「仁くーん!!ここよ~!!」


期間限定のフラペチーノを飲み終えた仁は、駐車場に向かう途中で声をかけられた。

駐車場がたくさんあり、どこに行けばいいのか分からず、うろうろしていたのが逆に良かったらしい。


「編集長!!!」


そう呼び掛けた俺の目は光明の光が差し込んでいただろう。

本当に広すぎで、どこに行けばいいのか分からず、最後の方は涙目になっていた。

いい年した男が涙目で、途中にはぐすっとか、鼻を鳴らしていたから、通り過ぎた人も振り返ってたし。


編集長はそのカラフルな髪の毛ですぐにわかった。一際異彩を放つというか。何というか。


「車はこっちよ。」


横に並んで歩く彼女は、俺のリュックを持ちながら、歩調を合わせてくれた。

そして、今日までの出来事を話してくれる。


もともと、3月から4月にかけては、学生であるモデルさんもいるため、仕事は休みにする人がいるのだそうだ。

そして今回は本当にたまたま、風邪というものが流行ってしまったため、この人だ!!というモデルがいなくなってしまったんだとか。


もちろんモデルはたくさんいるものの、今回のコンセプトに合致するモデルというのはなかなかおらず、吟味に吟味を重ねた結果、微妙という結論に至る。

周囲の人が誰にしましょう・・・と悩んでいる中、編集長はああ!!仁君しかいない!!という思いがあふれてしまったそうな。


「もともと、仁君のが合うと思ってたのよ。本来起用しようと思ったモデルさんよりね。」

「俺。超ド素人ですけど。」

「いいのよ。今回のコンセプトはそんな堅苦しいものじゃないからね。」


・・・堅苦しくないって・・・。

逆に堅苦しいコンセプトとゆうものがどんなものか気になる・・・。


「さあ着いたわ!!この車よ。」


編集長に見つけられてから約5分ほど歩いた。

着いたところに待つ車は、小さめのワンボックス。

運転席には誰かいるようだ。


「そうそう。今日運転を買って出てくれたの。私の部下の、胡桃くるみ 萌々ももちゃんよ!!」


とっても優秀ないい子なのよ~と、運転席の窓をノックしながら紹介してくれる編集長。


ガーっと運転席の窓が開いた。


黒髪ストレートを高い位置で結い、すこし吊り上がった猫目が特徴的な、女性だった。


「胡桃です。編集長この方が??」

「そうよ!!私の一押し。軽米 仁君よ!!」

「ふむ・・・・。編集長にしては最適解かと。」


結構堅そうに見えたけど、意外と面白い人かも。


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