応援コメント

2-3 傷痕と異常」への応援コメント

  • 今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。

    1-4でヴェルトールさんとミレルカさんが話していた『物騒な話』……本来ならば王都周辺には生息していない魔獣の姿が確認されたという噂。

    作中世界の魔獣は、種類によって適した生息地が決まっているため、それ以外の場所で目撃されることはめったにない。
    もし目撃されるとしたら、元々暮らしていた環境に何かがあったか、あるいは魔獣が移動させられたか……というものでした。

    そのときはまだ『噂』という表現でしたが、今回、ディアモン鉱の防具を切り裂いて青年が傷つけられていたこと、剣が砕けていたこと、ヴェルトールさんの『この辺りでそんなことができる魔獣は思い当たらない』という言葉……
    これらの情報から、それが噂ではなく事実かもしれないと思い当たった瞬間の、心臓が冷たく締め付けられる、という表現に、ミレルカさんの恐怖がいかばかりだったか……ということが伝わってきました。


    倒れていた青年を囲んでいた狼のような魔獣達がルボワウォルフという名前であることがここでわかるのが、ストーリーとしてすごく上手いなと感動したところで、名前がわかることで、青年が倒れていたときの様子が鮮明に思い出されたからです。

    あの魔獣は……ルボワウォルフは、ミレルカさんの用意した魔除けのお香のおかげで逃げていきましたし、ルボワウォルフでは剣をかみくだくようなことはできないということも明かされます。

    青年を襲った魔獣は他にいる。それも、ルボワウォルフよりもはるかに強力な魔獣が。


    聡明ではあっても子供の体のミレルカさんには恐ろしくてたまらなかったはずです。
    けれど、ミレルカさんの前にはヴェルトールさんがいる。
    魔獣と接し慣れていて、実力もあるヴェルトールさん。

    ミレルカさんの賢さや勇気に惹かれる一方、優しく頼もしいヴェルトールさんの姿も感じられて、
    そんなどんどん好きになっていく彼らが、これからおそろしい魔獣と遭遇することになるのだろうな……と思うと、良い意味で、思わず手に汗握ってしまうのでした。



    次回を読ませていただくときがとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    今回では、目に見えない脅威が迫っているかもしれないという情報の公開部分に重きを置きました。
    リアルでも災害の話を聞くと不安になってしまうように、強力な魔獣がいるという話は聞いたら絶対に不安になるよなぁ……と思いながら執筆していたので、ミレルカが感じた恐怖とヴェルトールがどれだけミレルカにとって頼りにできる存在なのか、感じていただけたみたいでほっとしました。

    また次回も、お時間に余裕があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそ、ありがとうございました。