悪いことがしたくなるお年頃-9

アドラステアさんから頂いた水着、やけにサイズがしっくりきますね、と思ったらこの水着の繊維、魔力が込められていました。

装着者の体型に合わせて大きさが変化すると言った、かなり特殊かつ高度な魔法です。

へぇ、こんなものもあるんですね。


「どうですか?可愛いでしょう」

へへんと胸を張りながら、アドラステアさんから頂いた水着を見せてあげます。

わぁ私優しい!

「ほう、悪くないではないか。エウロパとやら」

「へへん。超絶可愛くて優秀なエウロパちゃんは水着も似合うのです!」

すごいでしょ〜。

「して、話とは?」

そうでした。

いけないいけない。

「ここに登ってくる途中、村の人から聞いたのですが、なんでも村の子供が3人ほど行方がわからなくなってしまったそうで。何か知りませんか?」

その調査をしにきたのだとバレないよう、あくまでさりげなーく尋ねる。

これがプロの技です。

「今朝まではここにおったぞ」

「え!?今はどこに!」

私が食い気味に尋ねると、アドラステアさんは入り口付近を指差しました。

「入り口を出ると、ちょうど正面の位置にもう一つ山がある。そこの頂上にここと同じような迷宮ダンジョンがあって、そこにおる」

えええええぇ…。

そんなぁ。

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