悪いことがしたくなるお年頃-7

「なんて仰いました〜?」

「何のようだと聞いたのだ」

湿気のせいか、かなり声がくぐもって聞こえる感じがあります。

「暇なので散策していたら、今時珍しい迷宮ダンジョンを見つけたので入ってきました」

冒険者の基本は、真実に混ぜた少しの嘘。

これがバレにくい嘘の基本なのです。


「暇だから、と申すか。まあ其方のような高レベル冒険者は良くそのように申すし、分からなくはないが」

お、この人何か物分かりが良いみたいですね。

まあ別に私、本当に暇だから散策に来たわけでは無いんですけども。

「顔を見せずに話すのもなんだ。こちらへ参るが良い」

「はあ…」

私はとりあえず言われた通り、あっつい部屋の奥へと歩いて行きました。


「ほう、其方この部屋の中でまだそのような服装でいるか」

奥には、大きめのベンチのようなものがコの字型に配置されていて、縦棒の部分に声の主は座っていました。

「そういう貴女の格好、かなり際どいですけど色々大丈夫ですか?」

「はは、際どいときたか。サウナなのであるから、このくだい普通であろう」

声の主さんは、いわゆるビキニ水着と呼ばれるタイプの、布面積が小さい水着をつけていました。

背は座っているので正確にはわかりませんが、かなり高い方だと思われます。

ただ何より、軽く褐色がかった裸が映し出すグラマラスな体型がむかつきますね。

なんですかその、ぼんきゅっぼんなら良いんでしょうみたいな身体は!

私のつつましくも、出るところは出ている体型を見習うべきです!

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