第8話 『鬼気切迫』 破

GM:さて、では翌日、村です。村はしんと静まり返っています。村はずれにある大きな洋館が、異質な雰囲気を放っています


ミミィ:「あからさまに怪しいにゃ」


ヒルダ:洋館を……焼くという手も……あるのでは!?まぁやらないけれども


GM:焼いても……良いよ!


怪しい洋館の中に入らずに焼くことが出来るのもTRPGの醍醐味ではあります(無論キッチリGMに許可を取った上でやるべきだとは思いますが)。


ミミィ:吸血鬼に支配されてる村、まぁ焼くのが一番早くて確実だにゃ


ヒルダ:焼くとボス戦は楽だけど報酬低い気配がするんだよな


ユスティーツェ:焼き討ち、まだ早い(エンディングまで取っておこう)


ヒルダ:一応村の中の探索はしておきましょうか


GM:どうぞ


ヒルダ:(コロコロ……)よし、出目10で達成値19!


GM:んむ。まあ家の中ではブラッドサッカー達が生前の記憶を元になんとなく生活を送っているような動きをしてます。外には出てこない


ヒルダ:コレさぁ……吸血鬼潰しても結局コイツ等全員お掃除しないといけなくないかしら?まずは元を叩くけれども


ミミィ:無事そうな建物(?)はある?


GM:無事な建物は無いっすね、強いて言うなら洋館だが。生き残りがいたとして逃げてるだろうしね


ミミィ:よし、燃やしても後味スッキリのどごし生だにゃ


GM:そういう意図の質問だったんかい


ミミィ:「アレに突入くらいしかなさそうかにゃ?」


リーゼロッテ:「そのようですね。あからさまに本拠地ですが……」


ヒルダ:「みたいねぇ……」


ミミィ:「気乗りはしないにゃぁ」


リファー:「時間さえかければ取れる手はありましょうが……」そんなこと待ってられるような現状ではない


ムルダファ:「お前達があそこにいくなら、俺達はこっちでブラッドサッカー共を駆除しておくが……」傭兵団単位でついてきてるから実は結構頭数はいる


ヒルダ:「そうね……こっちに乱入されても困るし、役割分担しておいた方が良さそうね?」


ユスティーツェ:「そうだな、ここで手をこまねいていても仕方あるまい」


サギリ:「館の中では騎獣も立ち回れませんし、私もムルダファ様をお手伝い致します。殿下、皆様、ご武運を」


ミミィ:「ミイラ取りがミイラにならないように、だけは厳守にゃ」


サギリ:「了解しました」


GM:では館へ?


ユスティーツェ:行くぞ


GM:はい。では館です。入り口をゴーレムが守ってますね。魔物知識判定していいよ


そもそもこの時点でリーゼロッテがコンジャラー技能を取っているため、データがわからないことはありません。全体的に出目も良く、ロックゴーレムであることが判明します。

先制も無事奪取。彼我距離10mで戦闘が開始されます。


リーゼロッテ:魔法生物相手ならモラルがノーリスクなので弾きますね。鼓咆は烈火


ミミィ:弱点暴くにゃ。ついでにぼっちゃんにヴォーパルウェポン


ヒルダ:じゃあ投げるわね(コロコロ……)6ゾロ


GM:マジか


ヒルダ:ダメージは22点


ユスティーツェ:では続いて魔力撃(コロコロ……)回避低いし当たるな。ダメージは(コロコロ……)38点


GM:防護点分差し引いてもおおよそ右半身が半壊したな


リファー:フレイムアロー(コロコロ……)抵抗されてダメージ7点


GM:じゃあ手番貰って、ヒルダさんに狙い打ち。目標値17を避けてね


ヒルダ:カウンターします


GM:あっ!そうか7レベルになったの忘れてた!


カウンターは、相手の命中力判定に自身の命中力判定で対抗出来る戦闘特技。成功すれば逆にダメージを与えることが出来ます。


ヒルダ:カウンターで投げると、相手はその手番中転倒から起き上がることが出来ない!食らいなさい!(コロコロ……)達成値22!


GM:ダメージどうぞ……


そんなこんなで手番が返り、再びゴーレムに手番が返ってくることはありませんでした。


リーゼロッテ:ケアフルオートルーターで良い戦利品が確定するので回収しておきます


GM:さて、洋館の中に入るかい?


ユスティーツェ:入ろう


洋館の中は暗いため、ヒルダに松明を持たせ、探索を開始します。


GM:中に入ると左右に廊下がのびてて、2階に上がる階段もある


ヒルダ:こういう時、大抵上にいるって相場は決まっているけれど……何かあるかもしれないし、とりあえず左から行こうかしら


GM:了解。応接間らしき部屋があるよ


ミミィ:聞き耳してみるにゃ


スカウト組が聞き耳を振り、最も高い達成値はヒルダの19でした。


GM:音は聞こえないですね


ミミィ:ノックする?


ヒルダ:流石に普通にゆっくり入りましょう


リファー:お邪魔します


GM:じゃあ危険感知判定どうぞ。とりあえずヒルダさんだけでいいよ


ヒルダ:むっ(コロコロ……)達成値は18だけれど


GM:おっ、じゃあシンカーハウスの擬態だということに気が付いた


シンカーハウスは部屋などに擬態する魔法生物。油断して入ってきたものを閉じ込めて撃退するという機能を持っています。


ヒルダ:「――――――皆、下がってッ!!」


ミミィ:「にゃっ!?」


リーゼロッテ「へっ!?」


GM:入らなければ攻撃してきません。ってか出来ません


ヒルダ:「シンカーハウスね?」


ミミィ:「襲い掛かる部屋かにゃ」魔物知識しておくにゃ(コロコロ……)6ゾロ出た


GM:めっちゃわかった。まあ知ってるとは思うけどデータ見て良いよ。ってかマジで攻撃手段が無いから倒したで良い


ユスティーツェ:可哀想なヤツだな……


GM:結構危険感知の目標値が高いから基本は通るんだけど今回はヒルダの出目が良かったな。気付かれると本当に何も出来ないんだよね


ミミィ:GMとしては仕掛けやすいドッキリで、PC的には対応しやすい敵なんだよにゃ


GM:うんうん。で、本来の応接間になりますね


ヒルダ:じゃあ探索してみましょうか


GM:探索すると6000ガメル相当の金貨が見つかります。シンカーハウスを金庫代わりにでもしてたらしい


ヒルダ:まあシンカーハウスを超えてくるヤツはそうそういないものね


リファー:では戻って右に行ってみましょうか


GM:了解。リビングですね。こっちには扉は無い。食卓に良い匂いのする料理が置いてあるのが見えます


ヒルダ:あからさまに怪しい。ヴァンパイアは食事しないでしょ


GM:しないわけではないと思うけどまあそうだね


ミミィ:「……できたてかにゃ?」(小声)


リーゼロッテ:「の、ようですが」


ヒルダ:「ちょうどお昼時だった……にしてはおかしいわね?私達が表のゴーレムを叩きのめした時の音くらいは聴こえるでしょうしね?」


ユスティーツェ:「罠にしても不自然だが……」


ミミィ:「ステッキ、なんか一発撃ってみるにゃ」リファーに言ってる


この罠に対しては、PL陣がリアル魔物知識判定に失敗しているため、思った以上に警戒されてしまいました。


GM:無視して探索することは出来るけど


ヒルダ:薬品学判定してみましょうか(コロコロ……)6ゾロ振ったわ


ミミィ:今日多くないかにゃ?


ユスティーツェ:ピンゾロが多いよりは良いだろう


GM:うお。じゃあ良い匂いがしてきてお腹が空きます。以上


ヒルダ:毒ではないのね?


GM:あいや、毒ではあったわ。すまん


リファー:まあポーションも毒属性ですから一概には言えませんが


GM:間違いなくおいしそうではあるよ


ヒルダ:怪しすぎる


ユスティーツェ:無視して探索出来るとは言われたしやってみるか


GM:はいはい。じゃあこちらでも6000ガメル相当の金品を見つけることが出来る。あと良く見ればテーブルの下に貯蔵庫が備え付けられているのと、なんか腕みたいなのがついてることにも気付けますね


ヒルダ:腕?オートルーター的な何か?


GM:丁度料理を出せる感じの。魔物知識判定していいよ


ユスティーツェ:あ、あいつか?


ユスティーツェのPLは思い出したようです。魔物知識判定も、知名度だけですがなんとか成功。


GM:うん。カルネージテーブルです。


カルネージテーブルもまた魔法生物の一種であり、暴走し、毒入りの料理を無理矢理食べさせてくるという能力を持っています。レベルは10と高く、苦戦は必至。


ユスティーツェ:うん、無視しよう


ヒルダ:一応投げは通るけれど、キツイわね


ユスティーツェ:「…………名前は知らんが、何を食わされるか分かったものではない奴だ、捨ておけ……」


ミミィ:「まぁ料理は罠で違いないにゃ、退散退散」


GM:では2階へ行きますか?


ユスティーツェ:そうしよう


GM:こちらも左右に廊下が延びていますね。閉めきられた窓とカーテンが館全体を薄暗くしています


ミミィ:「……カーテン、開けるかにゃ?」


ヒルダ:「私が開けるわね」


GM:日光が入ってきますね


ヒルダ:ではさっきと同じように左から


GM:はい。どうやらこちらが館の主人の部屋のようですね


ミミィ:おっと。右はどんな感じかにゃ?


GM:書斎のようです


ヒルダ:一般的に書斎の方が窓少ないイメージよね……でも私の勘ってアテにならないから、敢えて書斎から行きましょうか


GM:うむ。扉があるよ


ミミィ:聞き耳振るにゃー(コロコロ……)達成値19


GM:特に音はしません。耳鳴りがしそうなほど静かです


ユスティーツェ:「まどろっこしい」ドアキック


GM:はい。派手な音がして扉が部屋の中に倒れ込みますが特に何事も起こりません


リーゼロッテ:「お、お兄様……!」


ヒルダ:「あらあら……」


リファー:「(心配)」


リーゼロッテ:「それが王族のやることですか」お説教モード


ユスティーツェ:怒られた……(しゅんとしている)


GM:さて。なんかあからさまに怪しい宝箱がある以外は普通の書斎です。意外や意外、本は格闘術に関するものが多いですね


リファー:「格闘術……?」


ヒルダ:「……」


GM:ああ、ヒルダさんは自分の師匠が書いた本があることに気付きますね。一番読み込まれています


ヒルダ:「……師匠の本……どうして、こんな所にあるのかしらね……?」それはそれとして宝箱に近づいてみるわね


GM:危険感知どうぞ


ヒルダ:(コロコロ……)達成値18


GM:気付きましたね。魔物知識判定もどうぞ


ヒルダ:「ごめんなさい。多分……この罠に踏み込まなければいけないのは私なのよね?」(コロコロ……)


GM:ん。その出目ならわかる。お察しの通り……


ヒルダ:「――――――この、デックチェストトラップにね?」


GM:その通り。デックチェストトラップです。出したは良いけど弱すぎるし、戦闘はカットでいいよ。剥ぎ取りどうぞ


ヒルダ:剥ぎ取りの達成値は10。他何かあるかしら?


GM:ああ、稀覯本的なのもそれなりにあるので売ればお金になりそうですね。これまた6000ガメル


ミミィ:「ほうほう、これはススリレ・カルネの名著、美本だにゃ。こっちはオルマロフの呼吸研究記録。ふむふむ、他にもそれなりになりそうだにゃ」


ヒルダ:じゃあ最後の部屋に行こうかしら――――――



***



今回はここまで。ヒルダの師匠に関してはセッション中に生やした設定ですが、上手く乗ってくれて助かりました。次でこの回はラストの予定です。では、また次回。

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