異形の少女*🌺＊✰⋆*

第20話⁂達也は益々！⁂

１９９８年✕月✕日

「アアアア！憎い！憎い！憎い！殺してやる————！」

酷い事を！

誰かが叫んでいます。

一体誰が？？？

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徐々に身体も回復して軽度の仕事復帰をしていた達也ですが。

１９９７年「緑さす」初夏の鮮やかな新緑のまばゆい5月まさに緑のシャワー。

そんな五月晴れの季節、軽い協調運動障害だった達也は無事回復して産婦人科に完全復帰する事が出来ました。

一方の陽介と貴理子夫婦はあれ以来険悪な関係が続いています。

あの日、陽介と弥生の愛の復活を知った貴理子は、夜遅く帰って来た陽介に対して

苦しみぬいた挙句、手に刃物を握りしめて待ち構えていたのです。

「あなたが私と遥斗を捨ててこの家を出て行くと言うのなら、私は今すぐに遥斗を殺して私も死にます！」

「ヤッヤメロ！」

「じゃ～もう2度と弥生さんとは会わないと約束して！お願い！もし会っていた事が分かったら今度こそ絶対に死んでヤル！容赦しないから～？私と遥斗の事なんてどうでもいいんでしょう？ワァ～～～ン😭どうせあなたの事なら病院の名前を汚したくないだけなのでしょうけれどね？あんな女のどこがそんなに良いの？ワァ～～～ン😭どうして分かってくれないの～！」

「バカを言うんじゃ無いヨ！可愛いに決まってる！」

こんな経緯があり弥生とは会う事もままならなくなってしまった陽介なのです。

又、協調運動障害のリハビリ更には造精機能障害を克服するために、今この仕事を暫く中断している今だからこそ克服しようと懸命になっている達也。

それと言いますのもあの貴理子に全てを知られてしまって以来、弥生の怪しい言動がピタリと止まってしまったのです。

何とも嬉しい限り！そんな事も手伝ってか協調運動障害のリハビリに造精機能障害の辛い治療にも打ち勝ち仕事復帰を果たすことが出来たのです。

そしてなんと！更には妊娠の朗報まで飛び込んできたのです。

１９９８年9月中旬。

茜色の空を背景に、黄金色に染まった稲穂の上を飛び交う赤とんぼにすっかり懐かしい、どこか寂しい秋の夕暮れを感じる今日この頃。

待望の赤ちゃん樹里亜が誕生したのです。

達也の喜びようときたら尋常なものではありません。

｛散々俺を苦しめた弥生だが、こうして俺の赤ちゃんを無事生んでくれて本当にありがとう！もう今までの事は全て水に流そう！こんな可愛い赤ちゃんまで誕生した事だし、子育てで陽介どころでは無いだろう？｝

これでもうさすがに陽介も手出しは出来ないだろう！と安心しきりの達也です。

それでもクロ―ン人間の製造に着手して来た事を今更中断する訳にも行きません。

我が子はあくまでも我が子、子供が授かったからと言って中止は出来ません。

人間の欲とは底知れないもの、益々欲望に拍車がかかります。

｛俺を心の底から愛してくれる弥生を作り出す事こそ最大の願い！最大の希望！

そしてその弥生と心の底から愛し合う事こそ俺の一番の喜び！最大の幸せ！アアアア！そして若い弥生を又味わう事が出来る何度でも！｝

ですが？これから更に事件が？？？