第6話⁂美少女の謎!⁂

樹は子供の頃から父親譲りのせいか?絵画だけは誰にも負けません。

その為都内の私立総合進学クラス美術コ-スのある聖徳学園高校に入学したのです。


一般教科は最底辺でしたが、絵画だけは父親譲りで群を抜いた存在。

その為苦手な一般教科に力を入れて寝る間も惜しんで勉強したおかげで日本屈指の

武蔵野美術大学造形学部に見事合格したのです。


晴れて大学生となった樹は希望に胸を膨らませてこれからは素晴らしい未来が訪れるに違いない!

絶対訪れる!そう確信して疑う余地など微塵もなかったのです。


ただ?母に対する疑念と森の中のあの美少女の事だけは頭から離れないのです。


受験も終わり夢の第一歩を踏み出した樹は未来に一筋の光明が差した、そんな明るい未来に夢踊る毎日ですが?


あの少女の事が片時も忘れる事が出来ずに頻繁にあの森の中に出掛けているのですが?一体どうした事でしょう。

最近は全く見掛けないのです。


どうしてもあの美少女に会いたくなった樹は、{あの高い塀によじ登ろう}とコッソリ夜中に壁伝いに中途の隙間まで登ったのです。


どうしても美少女の手がかりが欲しかった樹が明け方までそこで隠れて見ていると看護師姿のユニフォームに身をまとった女性が慌ただしく病人をストレッチャー乗せ去って行ったのです。


あの顔は確かあの美女?

何故病院でも無いこんな無機質な細い廊下の不気味な秘密基地のような場所に何の目的で?


まだ若い看護師姿の女性とストレッチャーに乗せられたあの美女がさも不安で押し潰されそうな、何とも言えない悲壮感を漂わせながら、無機質で不気味な廊下を通り過ぎて行ったのです。


するとその時あの病院で見たガッシリした若い男が、塀の脇に姿を現したのです。


{危険だ!}

咄嗟に塀の内側に隠れた樹は間一髪で難を逃れる事が出来たのです。


一体ここは何をしている所なのか?


樹はこの謎を解くべく悪友利也に相談。

ですが?利也はあいにく浪人の身むやみに抜け出すことも出来ずに数週間たったある日やっと2人であの森に来る事が出来たのです。


「ようしあそこから侵入してみよう!」


そしてあの夜中に登った隙間から2人は内部に潜入したのです。


するとある一室から微かに「お前が悪い樹里亜をこんな姿にして許せない!」

男とも女とも言えない低い声で怒鳴り散らす声がどこからともなく聞こえて来たのです。


{あの少女は樹里亜と言う名前なのか~!}


2人はやっと知ることの出来たあの美少女のほんの些細な情報にも心躍らせています。


しばらく隠れて聞き耳を立てていると今度は「何故こんなに年老いてしまった~?可哀想に~!グウウウウ~!」

すすり泣いている男の声がかすかに聞こえて来たのです。


一体ここでは何が起こっているのか?


その時又あのガッシリとした男がある一室から出て来たのです。


その時にあの日見た看護師さん風の女性が何やらその男に重要な話でもあるのか神妙な面持ちで「この子ももう助からないかもしれない?……………」

延々と話が続きます。


最初の言葉だけは微かに分かりましたが?後の言葉は聞き取れません。


すると部屋の中の様子が少しだけ見えたのです。

何と人工呼吸器に繋がれた今にも息絶えそうな赤ちゃんが見えたのです。


一体ここは病院でもないのに何が行われているのか?


恐怖と不安に押し潰されそうな2人なのです。


すると今度は今まで見た事も無い中年の大柄の男が2人に気付いて追いかけて来たのです。



2人は逃げて何とか家にたどり着くことが出来たのですが???





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