第3話水瀬さんは大学生

次の日俺は綺麗に洗ったタッパーを持ち水瀬さんが住むお隣のチャイムを鳴らした。


『はーい!』


そう言い水瀬さんは扉を開けた。


「あ…昨日ぶりですね」


「はい。これ…返しに来ました。とっても美味しかったです」


そう言い俺はタッパーを渡した。


「ふふっ…良かったです。おばあちゃん直伝の料理だったんです」


「そうなんですね…すごく懐かしい味がしてびっくりしたんですよ」


「それはそれは…喜んでもらえたようで何よりです。これからお仕事ですか?」


「えぇ。これからお仕事です。水瀬さんは?」


「私は一限目から授業なのでこれから家を出るところですね」


と、言った。

ん…?一限目から授業?


「あの…つかぬ事をお聞きしますが…水瀬さんって大学生ですか?」


と、俺は聞いた。

まぁ…これに関してはしょうがないと思う。

水瀬さんは俺的には高校生…または中学生に見えていたからだ。


そしてそう聞かれた彼女は少しキョトンとした後…


「む…和泉さん?まさか私のことを高校生、または中学生だと思ってましたね?」


と、言った。

まぁ、こればっかりは許して欲しい。

水瀬さんは見た目は黒髪ロングで顔は少し童顔なのだ。

でも、雰囲気は落ち着いていてチャームポイントは右目に涙ボクロがある事だ。


俺は少し焦りながら答える。


「ま、まさかぁ〜…だ、大学生だと…思ってましたよ?」


しかし、水瀬さんジト目でこちらを見てくる。そして…


「ふ〜ん…まぁ、良いです。私童顔ですからね?昔から幼く見えていたのでこういう扱いは慣れてますしね?どうせ、大学生2年生には見えないですからね?」


と、まくし立てるように言い始めた。


俺はこれはまずいと思いながら答える。


「え〜と…その、水瀬さんは確かに若く見えますが…なんて言いましょうか、雰囲気はとても落ち着いていてその…とても可愛らしいと思います…よ?」


と。そして、それを聞いた水瀬さんは満更ではない表情をした後ニッコリと笑い…


「ふふっ…そんなに慌てなくても大丈夫ですよ?幼く見られるのは慣れてますからね…」


と、言った。

俺はその反応を聞いて少し安心しながら答える。


「ふぅ…良かったです。俺のせいで水瀬さんを怒らせてしまったかと思いました…」


と、言った。


「あはは!和泉さんはビビりすぎですよ!私こう見えて心は広いですからね!これぐらいじゃ怒りませんよ?」


と、笑いながら答える水瀬さんとても楽しそうにしていた。


「す、すみません。女性と話すのはあまり慣れていないもので…っと、少し長居してしまいましたね。では、俺は仕事に向かうのでこれで失礼しますね」


「ふふっ。堂々としてれば大丈夫ですよ和泉さん。また食べたくなったら何時でも言ってくださいね?」


と、言ってくれたので俺は笑顔で答える。


「はい、その時はよろしくお願いします。では、失礼します」


そう言い俺は彼女と別れた。


そして、俺は気分よく出社するが…


『おい!和泉!この書類を頼む!』


と、ハゲ部長が俺を見かけた瞬間そう言ってきた。

俺は少しため息を着きながらその書類を受け取り今日も今日とで相棒のパソコンを起動しカタカタと書類を作るのであった。


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