第39話 この度、寝てる間に色々ありまして

 

 暖かな誰かの体温。

 輝く朝日に照らされた視界。


 透ける鮮やかな赤に、優しく細まる菫が二つ、愛しい人が幸せそうに微笑んでいる。


 

 あの日漸く結ばれる事のできた私とお姉様は、ベッドの上で甘い一時を過ごしている。

 長いようで短い、不思議と愛に溢れたこれまでの記憶を遡っていた私は、思考の海に沈んでいた意識を現実へと戻した。途端に働き出す五感は目の前の幸せを存分に味わっており、改めて私は幸せを手に入れたのだと感慨深くなる。


 花のような匂い、安らぐ暖かさ、柔らかい身体の感触、静かな鼓動が心も身体も歓喜させて、愛しい気持ちが大きくなる。冬の気配が近づいて、屋敷の中も寒さが目立つ頃だけれど、お姉様と共に過ごす時間はぬくもりに包まれるようで寒さなんか気にならない。

 でも、蕩ける時間はそろそろお仕舞い。気持ちを恋人からメイドに切り替えて、回された腕の中から抜けていく。


「じゃあ、私はそろそろ戻りますね」


 この暖かさから離れるのは名残惜しくて仕方ないが、メイドの仕事は待ってはくれない。このまま彼女と過ごしたくなるのをぐっと堪えて、ベッドの上からゆっくりと降りようと身体を離し始める。

 しかしお姉様は絡めた指を離してくれそうになくて、聞き分けの悪い姉だと苦笑しながら赤い唇にキスを一つ。すると漸く指が自由になる。


「今日の約束、忘れないようにね」


「ええ、勿論」


 返事の後に優しく私の髪を撫でて、彼女は満足そうに頷き微笑む。可愛らしく我侭な彼女に行ってきますと視線を送ってメイド服についた皺を軽く直すと、扉を開いて二人の愛の巣を離れるのだった。


 仕事へと戻る私の心に浮かんだのは、前から決めていた特別なティータイムの約束。その約束に胸を弾ませながら、メイドの仕事へと戻っていくのだった。




 通路を歩く中で思い浮かぶのは、あの日から変化した私の生活。


 記憶を思いだして目覚めた私だが、結局学院には戻らずいまだに屋敷で生活している。本当はすぐにでも学院に戻って学業の遅れを取り戻したい所だが、凛后さんたちが許してくれなかった。


 理由は私の怪我が悪化したこと。完治もしてないのに廊下を走り回って更に傷めて、碌に手当てもせずにイチャイチャしていた所為なのは簡単に予想がつくだろう。冬休みまで期間もないことだし、ついでだからと二人も屋敷に残っているというわけだ。


 この事を知られた際にはメイド長と環さんには怒られ、メイドの皆には呆れられてしまったものだ。あまりの怒りに数時間も説教されるし、環さんの怒りの涙は罪悪感が湧くし、足は泣くほど痛むしで踏んだり蹴ったりだ。

 唯一優しいのはお姉様くらいだが、本人もよっぽど怒られたみたいで二人の時間も反省していて何処か気まずい。折角仲良くなった私達姉妹だが、ラブラブな時間を過ごすには時間が掛かってしまいそうだ。




 私は漸く、愛しい人と通じ合った。世界を越えて誰かを愛する、大切な想いを受け継いだ。

 幻想的でロマンチックな出来事が、本当に大きな変化を私にもたらしたのだ。


 そしてその頃、大切な人達にも変化は訪れていた……








 △


 今私の横で、一人のメイドが手際よく洗濯物を干している。長い手足と長身故に作業が早い彼女は自分の分を手早く済ませると、私の担当分も手伝ってくれるようだ。

 私の背丈では手間取りやすいシーツを手に取ると、軽々と干し始める。


「ありがとうございます環さん。私の背丈だとどうしても大物は厳しいから、代わりにやってもらえると本当に助かります」


「ううん、気にしないで…。寧ろ、役に立ててうれしいから…」


 長身のメイドの正体は、私の大切な人でもある環さんだ。彼女は照れくさそうに微笑むと、また作業に集中して手際よく洗濯物を干していく。

 様子を気にして屋敷で手伝いをしていた彼女だが、私が元気になった今でもこうして働いている。短期間の経験ながら既に他のメイドと働きぶりに遜色が無く、頼りにされる場面も散見されるほど。なりゆきで始めたメイド生活は意外と彼女に合っているようだ。


 勿論これには理由があって、驚くことに環さんはメイド生活が気に入ったらしく、将来はこのお屋敷で正式に働くことを決めたのだ。メイド長とも既に話は済ませており、今後は長い休みの度に屋敷で住み込みバイトをしていくらしい。


 心を許せる仲間が出来ることに心躍らせながら手を動かしていると、気が付けば籠の中身は空になっている。流石はみんなの期待の新人メイド、見た目も相まってヤングメイド長と呼ばれているのにも納得だ。


 仕事の進みに感心しながら干された服を眺めていると、急に強く手を握られて反射的に下手人の方を見てしまう。何事かと視線を向ければ、恥ずかしそうに斜め下を向く環さんが。


「ねぇ…ちょっとだけ、そこの影で休憩しない…?」


 これはただの休憩への誘いではない。彼女が欲しがっている時の逢引の合図だ。

 構わないと頷いて二人で木陰に隠れて向かい合えば、どちらとも無く口付けを交わす。勿論唇を合わせる程度の軽いものなんかじゃなくて、お互いの口内を舐めあい舌を絡めるような深いキス。

 最近の彼女は唾液を飲ませるのが気に入ったようで、私の顔に被さるようにして口内にたっぷりと流し込んでくる。


 厄介なことに彼の置き土産は健在で、環さんの行為を拒否することが出来ない。寧ろ我慢しようとすると欲情が高まってしまい、一度我を忘れて寝込みを襲いかけたこともある為、お姉様も禁止はせずに黙認してくれている。

 環さん自身は気にしてない所か好都合だと考えていて、隙を見ては今みたいにキスをせがんでくる。

 彼女がメイドになってくれるのは嬉しいけれど、大変なのもまた事実だ。


「ぷはぁ………んふふ、気持ち良いね…鏡花ちゃん…」


 でも、こんな可愛い顔を見せられれば、流されてしまうのも無理は無いのかもしれない。

 寒さを感じる木陰の下、濃密な時間を過ごす二人だった。


 鏡花の心は穏やかではないが、白清水家のメイドの未来は明るいのかもしれない。


 ▽








 △


 怪我も大分良くなりメイドの仕事にも復帰しだした頃のとある休日、記憶を思いだしたと聞いた睡ちゃんと赤穂が学院から屋敷にまで遥々お見舞いに来てくれたのだ。

 来訪を知らされたのが当日だったから驚いてしまったが、お見舞いなんて家族と使用人ぐらいにしか来てもらったことの無い私には、嬉しくて文句なんか言える筈が無い。


 今は自室に三人で集まり、私はベッドに腰掛、二人は来客用の椅子に並んで座っている。どちらともなく隣り合って座る様子に、二人の距離が縮まったのを感じて嬉しくなる。


「久しぶりだね鏡ちゃん、会えなくて寂しかったよ。怪我の様子はどう?記憶喪失は治ったって聞いたけど、足の怪我はもう平気なの?」


「足はまだ少し痛みますけど、生活する分には問題ありませんよ」


「さっきも普通に歩いていたしね。じゃあみんなも待ってるんだし、早く帰ってきなよ。」


「戻りたいのは山々なんですけど、許してくれなくて…」


「あー、確かにお姉さんはかなり過保護だし許してくれないかもね。なら仕方ないか、睡と過ごすのには飽きてきたけど、もう少し我慢するよ」


「うん、それに部長がメイドに………って赤穂ちゃん、飽きたって…何?」


「だって毎日朝も昼も下校も一緒なんだし、飽きてくるのも無理ないでしょ?それに鏡花がいないとテンション低いし、そろそろ鏡ちゃん鏡ちゃん言って尻尾振ってた犬みたいなあんたが恋しいって事」


「犬っ!?もう、口が悪いのは直すって約束してのに、私にだけは酷いこと言うんだから!」


「痛い痛い、嘘、冗談だって」


「ぷんぷんだよ、ぷんぷん!」


「あはは…、仲良いんですね」


 二人のじゃれ付きに呆れながらも、意外な光景に驚きを隠せない。電話やメッセージで聞いてはいたが、意外な事に私が居ない分二人で過ごす事が多いらしくて、クラスの名物コンビとして仲良くやっているみたいだが、目の前の二人は恋人のようだ。

 まぁ、実際に聞けば否定するだろうけれど、恋心と言うものは何が起きるか分からない。今はお互い意識していなくても、切欠一つで想いはいくらでも変わるのだ。


 二人の行く末はわからないけれど、もしかしたら結ばれる未来もあるのかも。

 眼前で仲睦まじく触れ合う様子に邪推していると、睡ちゃんがスマホの弄くり何かの写真を見せてくる。そこには与羽先輩や小柄な先輩、縦ロールの先輩達の姿があって、真ん中では二人が楽しそうに何かを頬張っている。


「これ見て鏡ちゃん。実は期間限定だったパンケーキが正式にメニューになったんだよ」


「ああ、赤穂が食べてた奴ですよね」


「そうそれ。あたしも気に入ってたからさ、皆に勧めて食べたんだよ」


「先輩達も一緒だったから、鏡ちゃんへのお見舞いに行くからって皆で記念写真を撮ったの。どう、美味しそうでしょ?」


「…うん、素敵ですね」


「だよねだよね。とっても甘くて美味しかったから、戻ってきたら一緒に食べようね」


「今度はあたしにもあーんしてよね、鏡花」


「じゃあ私はあーんしてあげるね、鏡ちゃん」


「…睡のは食べなくて良いから」


「…赤穂になんか食べさせなくて良いからね」


「「………」」


 無言で睨み合う二人を尻目に、もう一度写真に視線を移す。楽しそうに、賑やかそうに笑う写真の中の二人はどうみてもお似合いに見えていた。


 鏡花の知らない学院の中で、小さな恋が芽生え始めた…かもしれない。


 ▽








 △


 ある日の昼休みの時間、とある人物から電話が掛かった。


『…って訳で、二人は見てるこっちが恥ずかしくなるほどラブラブでね。見せられないのが残念だけど、今だってチサちゃんを膝に乗っけてお喋りしてて周りがキャーキャー騒がしくて…』


「それは…なんていうかお疲れ様です…」


 電話の相手は与羽先輩で、話の内容はなんて事の無い日常の話。誰々が心配してたとか、誰々と仲良くなったとか、お互いの近況を報告し合っている。

 その中でも今回は姫大路さんの話がメインで、そのイチャつきぶりを愚痴られているという訳だ。


 先輩の話では、ヒロインこと姫大路さんと髪永井さんは劇での活躍も相まって、学院ナンバーワンカップルとして絶大な人気を誇っているらしい。元々可愛らしさで人気だった姫大路さんの意外な格好良さと、髪永井さんの隠れた淑やかさのギャップが大いに受けたらしく、カップル自体のファンクラブも出来たらしい。

 とは言えその仲の良さは留まる事を知らないらしく、何時でも何処でも誰の前でもすぐに二人の空間を作ってしまうとか。それが皆の目には非常に目立つようで、嫉妬する生徒や歓喜する生徒で騒がしい毎日で、ついでに二人に感化されて空前の百合ブームが到来しているとの事。

 学院の至る所で告白だったり逢瀬だったりが起きていて、学院中が桃色の空気で満ちているんだとか。


 それでも与羽先輩は恋愛に興味が無く告白を受けても断っているらしくて、今の学院の雰囲気は居心地が悪いと何処か疲れた声で話していた。


『ほんとにね…。まぁ、僕は君達を間近で見てて耐性があるから問題ないけどさ』


「うっ……今までお恥ずかしい姿をお見せしまして…」


『あはは、別に責めてるわけじゃないよ。でも、あの無垢だった鏡花ちゃんが恋愛だなんて、なんだか成長を感じて寂しくなるよ』


 そう、あの日目覚めてからというもの、私の思考に掛かっていた靄が晴れている。今まで皆に愛情を向けられていたことを知り、それに欠片も気付かずに暢気に笑っていた自分の間抜けさも知った。改めて気付いた時には恥ずかしさで穴に入りたい位だったが、開き直ってしまえばなんてことは無い。

 というより恋人もいる私にとっては過ぎたことなのだから、今更気にしても仕方ないのだ。


「成長だなんて…今までが子供過ぎた位ですから」


『確かに。でも、それも悪くないのかもね。恋する乙女は子供のままじゃいられないから。…まぁいいや、友達に呼ばれちゃったからもう切るよ。また連絡するね』


「はい、再会楽しみにしてますから。それじゃあ、さようなら」


『じゃあね、鏡花ちゃん』


 通話が切れる直前に聞こえた声は、与羽先輩と仲が良い小柄な先輩の声だ。

 中々進展の無い日々は小柄な先輩にとっては焦れったい毎日なのだろうが、拒絶していない様子を見るに与羽先輩も満更でも無いのかも。案外、与羽先輩の変化というのもそう遠くない未来なのかもしれない。


 消えた画面を見詰める鏡花の表情は、珍しい意地悪気な微笑みだった。


 ▽












 柔らかな風が頬を撫でる。

 少しだけ敷地内から離れたこの場所は、心の中の平原に似ている気がする。


 お姉様とした午後の約束、それは外でのティータイムというささやかな贅沢だ。レジャーシートの上には簡単な焼き菓子が並び、魔法瓶には暖かい紅茶が湯気を立てている。手元の質素なカップを傾けると、爽やかな甘さのミルクティーが口の中に転がる。

 隣にはお姉様が気持ち良さそうに風を感じていて、反対側には環さんが手元のノートに何かを書き込んでいる。


「美味しいですね。これは環さんが?」


 紅茶の感想ついでに聞いてみると、彼女は照れたように教えてくれる。


「うん、伝統のレシピとやらを参考に淹れてみたの…。隠し味もあるけど、わかるかな…?」


「確かに少し爽やかですね。うーん、わかりません……。唾液とか?」


「入れて欲しいの…?それなら、今度二人っきりでね…」


「いやっ、そういうわけではなくて…!」


「汚い冗談は止めて頂戴。いくら変態の環でも不衛生な事はしないでしょうに。鏡花も馬鹿なこと言ってないで、しっかり魔法瓶の中でも見てみなさい」


 言葉と共にお姉様は何かをカップに入れてくる。紅茶の中に沈むのは、輪切りのレモンだ。

 魔法瓶の方を覗いてみれば、確かにレモンが入れられている。つまり、私は揶揄われたということか。


「全く、二人ともキスのし過ぎで思考がおかしくなってるんじゃないの?隠し味と言われて真っ先に唾液だなんて、もしかして鏡花は変態さんなのかしら…?」


「ち、違いますよ!健全です、心の隅から隅まで健全です!」


「でも、人の恥ずかしがる姿が好きだよね…?耳ばっかり責めてくるし、やっぱり変態さん…?」


「あれは前世の影響と言うか、決して私の趣味じゃありません!」


「前世なら結局鏡花の趣味ってことでしょ。それに私の時も耳だったり足だったりすぐ弄りだすじゃないの」


「う、それは…その…」


 確かに興奮した私は変なことをしてしまうかも。

 流石に言い返せそうに無いため、二人のくすくすと笑う声を聞き流して誤魔化すように紅茶を一口含む。

 恥ずかしかろうが気まずかろうがミルクティーの甘さは変わらなくて、飲み進めるたびに心が落ち着いてくる。

 未だにどんな所を責められただの、どんな風に触れられただの言ってる二人を無視してカップを傾け続ける私だった。


 焼き菓子を摘みながらゆっくりと時間を過ごしていく。

 久しぶりの外はやっぱり気持ちが良くて、記憶の無かった頃の私が眺めていたのもなんとなく理解できる。

 きっと私は風が好きなのだろう。自由を感じさせる、勝手気ままなこの風が。


 目を閉じて風に揺られていると、なんだか髪に違和感を感じる。

 見ればお姉様が一房摘んで頬ずりしていて、その感触が伝わったみたい。私の視線に気付いたお姉様は、髪に小さく口付けてからその手を離すと、私の肩に頭を預けてくる。柔らかな髪の感触が頬を撫でて、そのくすぐったさに僅かに吐息が漏れてしまう。


「気持ちのいい風ね」


「ええ、本当に。そんな風に甘えて、私に何かして欲しいんですか?」


「ううん、そういう訳では無いの。ただ、鏡花のことを感じたくなっただけ」


 言葉の後には、優しい静寂。彼女の体温と香りが心を安らげて、トクン、トクンと鼓動のリズムが共鳴していく。幸せで不可解な感覚に身を委ねながら、示し合わせたように指を絡めて静寂の中に。

 暫くの間、そうして髪を揺らせながらお互いを感じていると、するりとお姉様の顔が近付いてきて耳元で一つの質問を口に出した。



「ねぇ、鏡花は幸せかしら?」



 耳に掛かるくすぐったい吐息に目を細めながら、静かに言葉を反芻する。

 思えばいつからか、自分の幸せなんか考えずにいた気がする。自分の事よりお姉様の事ばかり考えて、その近くにいられれば幸せだと思ってきた。

 だから少しだけ考えてみる。自分が幸せか、幸せとは何か。


 大好きな人に囲まれて過ごす今は、この上なく幸せだ。

 隣にはお姉様が居て、環さんに見守られて、大切な友達も沢山出来て。愛する人と触れあいながら日々を過ごして、眠りにつくことすら惜しくなるような一日を送る。


 好きな人とキスをして、好きな人と言葉を交わして、何度も笑顔を交し合うような、平凡で有り触れた幸せ。今この瞬間が幸せかと聞かれれば、間違いなくそうだと言えるだろう。


 だけど、こうも思うんだ。幸せとは一時で終わらせていいものでは無くて、いつまでも続く日常の様なものなのだと。


 だから、こう答えるべきなのだろう。


「勿論幸せです。だけど……」


 彼女の手に両手を重ねて、願いを込めて言葉を続けた。


「明日はもっと、貴女を幸せにしたいです」


 御伽噺のハッピーエンドは、何時までも幸せに暮らすと決まっているのだ。


 私の子供みたいな言葉に対して、お姉様は優しい微笑を浮かべてくれる。噛み締めるように頷いて、うっすらと頬を赤らめさせながら瞳を閉じると、小さな呟きをポツリと零す。


「なら、今すぐもっと幸せにしてくれるかしら?」


甘えた可愛らしい言葉にクスリと笑いながら、彼女の甘い我侭に応えるためにゆっくりと顔を近付ける。

愛しさだけを込めた口付けはいつもみたいな燃え上がる情熱は無くて、静かに触れ合うように何度も何度も愛しさだけを伝え合う。


小さくて優しいリップ音が鳴り響く中、穏やかな風が二人の音色を隠すのだった。



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