アレイグル地下牢へ!
翌日の朝リーファと秘書の告発によって、アイギス国民全員にアレイグルの悪事が知れ渡った。
「この狸爺が。今まで騙しやがって」
「そうだそうだ。俺達がどれだけ寄付したと思っている」
「心から信じていたのに」
罵詈雑言が国民からアレイグルへと浴びせられる。
当のアレイグルは警察部隊によって事情聴取の後、逮捕された。
◇
「儂を解放しろ。金なら幾らでもくれてやる!」
「無駄ですよ。貴方の息がかかっていない者達なのですから」
「ぐっ――リーファ」
アレイグルの目の前に俺とアーニャとリーファが冷徹な目で目視して座っている。
「リーファ、儂を裏切る気か! どれだけ恩を売ったと思っている」
「恩は売るものではありません。それに私を利用して私腹を肥やす事だけを考えてきた貴方に恩を感じる道理はありませんよ」
「貴様!」
アレイグルが両手を拘束された状態でリーファへ襲い掛かる。
しかし間抜けな面で醜くこけた。
「本当は公開処刑も出来るんですよ。地下牢へ収監か、公開処刑か選択してください」
「な!? 儂を解放する気はないのか!」
「ありません。貴方が死んで困るものは存在しないでしょう。既に愛人も逃げ出していますよ」
リーファの冷徹な瞳がアレイグルを恐怖のどん底へと陥れる。
傍から見たらとても魔聖女とは思えないな。
「という訳で地下牢に収監します。後は宜しくお願いします」
「分かりました。お任せくださいリーファ様」
「ま、待てリーファ! 儂の話を聞け! そ、そうだ、わ、儂のお金を半分くれてやる。いや三分の二をくれてやる。だから許してくれ!」
警察部隊はリーファに命令されてアレイグルを地下牢へと放り込む。
最後の醜い叫びが部屋中に木霊した。
「これで一先ずは解決だな。幹部連中も拘束したし、後は信者の暴徒化か」
「そうですね。一部の信者は盲目的なので未だにアレイグルさんを信じているかもしれませんね」
「お前しか止められないぞ」
「分かっています」
俺達は大勢の国民の前で演説を行った。
◇
「どうか私の話をお聞きください。アイギス教会はアレイグルによって蝕まれ健全化とは程遠いものに成り果てました。しかし今後は私自らが先導して教会を立て直すつもりです。どうか貧しい子供たちの為に、教会の健全化に国民たちよ協力してください」
リーファが壇上で深く深く頭を下げた。
それを聞いた国民たちは数秒の沈黙の後盛大な拍手を送った。
「リーファ様、どうかもう一度教会を宜しくお願いします」
「私達は盲目的すぎました。今の言葉で目が覚めました」
「微力ながらお手伝いいたします」
国民たちはリーファの演説によって目が覚める。
一部の盲目的信者も俺達と警察部隊の手によって拘束された。
これで一先ず教会に関しては一件落着だ。
「国王とホーリーナイトの件が残ってるけどね」
「そうだった。俺ディオスに勝っちゃったんだっけ」
「余裕綽々でね。心底恨まれてそうね」
「さてどうするかな」
俺とアーニャは快晴の空を見上げながらそう呟いた。
◇
「リーファ、終わったけどこれでいい?」
「はいオッケーです。ご苦労様です」
「少し眠いから寝るよ。何かあったら声かけて」
「はい。ありがとうレン」
リーファの親しい者レンは銀髪の髪を風に靡かせながら何処かへ消えた。
「さて残るは国王とホーリーナイトの件だけですね」
リーファはこの日を境に教会の健全化を取り戻した。
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