第6話 ざまぁ×パンツ


 私は七歳になった。

私は貴族である。だから、自宅でも、パーティが開かれる。


 まだ、七歳なので、他の領地のパーティには、連れて行かれないが、自宅のパーティには、参加させられる。


 ある日、庭の木の前に、少女が居た。

どうやら、木の実を、獲りたいようだ。


 私は、ネクタイを外して、セクシーなポーズをとりながら、呪文を放つ


「エアロジャケン」


 すると、小さな竜巻がおこり、

木の実は獲れたが、少女のスカートが捲れ、別のものも、撮れたらしい。私は素知らぬ顔で、獲れた木の実を、少女に渡す。


「木の実をどうぞ」


「エッチ!!」


 バチーン!!


 頬を平手打ちにされた。

どうやら、パンツをみたのが、バレたらしい。


 良いものが見れた!!

〜白パンツにフランソワーズを添えて〜


 我が人生に、ひとひらのパンツあり!!


 この様に、中級までの風魔法は、だせる様になった。しかし、火魔法とか危なくて、なかなか試せない。ボヤ騒ぎになるからな!!


 水魔法も屋敷ではダメだ。下手したら、びしょ濡れになり、家が大惨事になる。


 土魔法は、そもそも何の効果があるのか? 

地面が掘れるだけなのだよ。今の所、有効な活用法が見出せない。光魔法や闇魔法もしかりだ。


 ハゲた人の頭に、光魔法を当てて、さらに光らせる、悪い遊びしか思い浮かばない。


 私は、平手打ちにされた女性に、こう告げる。


「誤解です。私は木苺のパンティなんて、見てません」


「やっぱり見たんじゃない!!」


 パチーン!!


「二度も殴った! 父親にも...」


 これ以上はやめておこう。偉い人に、怒られてしまうからね!


 少女はプンスカ怒りながら、去って行った。


「パンツの一つや二つや三つ、死にやしないと思うのだかなぁ〜」


 しかし、ここはパーティの場である。

貴族の社交場は、名声が重要になってくる。

女性のスカート捲りを、してしまった事で、バレたら子供とて、名声が下がるのだ。


 私は、ネクタイの紐を締め直す。

こういったパーティなどの、社交界の場では、女性の噂話は、重要である。


 何故なら、貴族家の女性は恋愛事情、人間関係、金銭問題など、多くの話題を話している。つまり、ゴシップ好きである。


 私がスカート捲り魔だと、評判が立てば、我がルミエール家に、泥を塗る事態になりかねないのだ。


 そうだ! 先程の少女に、口止めの為に贈り物をするのも、手である。


 私は庭に咲く花を、束にして紙で包み、先程の少女に渡す。


「ごめんね。先程は! 悪気があったわけじゃないんだ。君が木の実を、欲しそうにしていただろ? だから、採ってあげようとしただけなんだよ。はい!! お詫びの花束を、受け取って!!」


 私は笑顔で、花束を渡す。

しかし、三度目の平手打ちを喰らう。


 パチーン!!


「どうして...」


「この花はリンドウで、花言葉は『苦しんでるときの貴方が好き』なのよ! 私を笑いに来たのね!!」


 ひどい誤解である。良かれと思った事が、こんなにも、裏目に出るとは...不味い。


「私はまだ七歳なので、花言葉は知りませんでした。ただ貴方の笑顔がみたかった...」


 なんとか乗り切ったのか?

どうなんだい? 


「ーーーーーー」


 いや何か喋って!! 気になる〜

少女は何も言わず、どこかに行ってしまった。






 やがて、少女は、テクテクと戻って来た。

どうやら、花を見つけに行ったらしい。


 私の元に再びやって来て、タネツケバナという花を渡して、こう言った。


「これを女性から貰ったと、貴方の父親に、見せて来なさい」


 私は首を傾げながら、父ベルギウスの元に、花を持っていく。


「父様! 私はとある少女から、この花を貰いました。何故でしょう?」


 すると、父ベルギウスは、びっくりした顔になって、呟く。


「タネツケバナの花言葉は、父親の失策...フィン! 何かその少女に、酷いことをしなかったのか?」


 私は正直に話したのだが、怒られてしまい、父ベルギウスは、少女に謝りに行く事態となった。


 花言葉は奥が深いですが、仕返しされました。なんてざまぁだ!!


「私がざまぁされて、どうすんだよ!」

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