第3話 卒業パーティー会場へ 1

 さて、お人形の出来上がりですわ。

 よし!完璧です。


「エルサ、ありがとう完璧よ」

「お嬢様、皆様がサロンでお待ちてすよ。さぁ参りましょう」

「ええありがとう」


 エルサと一緒にサロンへ行くと、家族全員がお茶してました。(笑)


「皆様お待たせしました」

「まぁパトリシア綺麗ねぇ貴方?」


 母が誉めてくれて嬉しくなる。


「そ、そうだな綺麗だ。私の娘は綺麗だ!」


 なんかテンションが可笑しいぞ?父。


「ありがとうございます。どうですか、お兄様達?」


 兄達にニッコリ笑って、振り返り。

 感想などを聞いてみる。


「あぁ、綺麗だ!私の妹は綺麗だなぁ~」


 ヴァンス兄どうしましたか?


「シア綺麗だよ!だが……怪我は大丈夫かい?」

「ええ、アレク兄様何ともないわ。ヴァンス兄様、誉めてくれてありがとう」

「さて、そろそろ出発しないと間に合わん。パトリシア行くぞ」

「ええ、お父様」

「では……行くか……」


 何か気が重そうですわ?何か御座いましたかご機嫌が斜めですわね?


「はい。お母様、お兄様達……後程会場で」


 お母様達にカーテシーをして、父と並んで歩く。

 そして、エントランス前に乗り着けていた馬車に父と二人で乗り込んだ。


 向かっているのは、学園で開催するパーティー会場で父にエスコートをして貰うのです。


「パトリシア……」

「……なんですの父様?」

「なんで、私が!エスコート役なのか?」


 あぁ、それで機嫌が悪いのね?

 ご免なさい、お父様。

 お馬鹿様が問題有りで、父か兄達かの二択でしたから。

 お父様の方が、都合が言いと考えた結果ですわ他意は全くございません。


「あら、お父様。私のエスコートはお嫌でしたかしら?それでしたら、お兄様達お二人のどちらかに、お願いしましたのに」

「そうではないぞ!パトリシアの、エスコートは嬉しいがな。本来なら、あの馬鹿王子がするはずだ!」


 私に言わないで欲しいわ。

 私だって、ここまでされるとは…思っていなかったのよ?


 まぁ、半年程前から噂は耳に入っていましたが、………知りませんわよ。


「お父様、私も存じ上げないのです。少し噂を耳にして居たのですが……。まさかエスコートさえ、申込みが無いとは困ってしまい………」

「事の真意は。あの、馬鹿王子に聞くがな」

「ええ、是非そうして下さいね?」

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