第13話 書けないときはどうしる? 「こんなんしてみたらいいんじゃね」編

 続きです。

 さて、じゃあ書けない時はどうするよ、ということになるのですが。


 ●他者の作品を読んでみるのもいいかもよ

 これは小説以外のものでもいいんですが……んー、いや、やっぱり小説のがいいかな、しかもプロ作家よりはカクヨムなどのWeb小説。

 プロ作家の素晴らしい作品に触れて覚醒、てこともあるかもしれないですけど比較対象は身近にいたほうがいいと思うんですよね。それは「あ、この人巧いな、悔しー!」という健康的な嫉妬心でもいいし、「正直文章下手くそだな、オレがもっといいもの書いてみせるぜ」という密やかな傲慢でもいいのですが、とにかく自分の感情を揺すってくれる何かを探してみる価値はあると思います。


 ●あんまり思いつめちゃだめ

 いや、もうね、書けない時は書けないでよくね?という割り切りも必要かと。

 我々(と勝手に括らせてもらいますが)の大部分は報酬をもらって「商品」としての小説を書いているわけではないし、コンテスト等は別として締め切りが特に決まっているわけでもない。

 定期的な更新を心がけようとすると、どっかで義務感にかられることもあります。しかし前回書いた通り、惰性や埋め合わせで書いた文章は読み返すとやっぱり面白くないんですよ、どうしても。

(今思いついたけど)小説って「妄想と情熱の間」から生まれてくるものなんじゃないかと思うんですよ(映画のタイトルのパクリみたいでスミマセン)。

 脳内に浮かんだ奇々怪々、荒唐無稽なイメージを、他人に伝えるために一字一句文字に書き起こしていく……いやー、こんなめんどくさい作業、好きでなかったらやれないっすよね、ほんと。

 だからこそ「それでも書きたい」という昂りがなければ、自分ひいては読んだ人が納得できる作品はできないのではないかと思うのです。

 だから休んじゃいましょーよ、そんな時は。本当に好きなことなら、きっとウズウズしてくる瞬間がまたやってくるはず(たぶん)。


 ●ちょっと浮気してみる?

 どんなに愛しい彼・彼女(作品)でも、長くなってくると新鮮な感情というのは薄らいでいくものでして。

 なので、そんなときは全く違うタイプの人(ジャンル)と、短い逢瀬(掌編、短編)でも楽しんでみるのもよいかもしれません。カクヨムの場合、自主企画で「お題に対して小説を書く」みたいな企画はよくありますし、アタクシもこれまで何度かそういう企画に参加して、刺激をもらったりしています。

 あと、場合によっては河岸を変えてみる(他の小説投稿サイトでも活動してみる)なんてのもアリかもしれませんね。まぁ、アタクシもやってるんですが、同じweb小説でもサイトが違うと読まれ方とかが違ってオモシロイな、と思うこともあります。



 ……んー、なんか精神論みたいなことばっかり言っててあんまり参考にならんわ、と思われた方もいるかもしれません。

 ですが、繰り返しになりますが小説ってほぼ精神(の中でも特にドロドロした部分)から生まれてくるものだと思うのです。大事なのは、とにかく自分の中の「書きたい」という昂りをいかに燃え上がらせるかに尽きるのではないかと思うのですよ。

 そのきっかけが何になるのかは誰にもわかりませんので(あくまで気負わずに)イロイロと試してみるのがいいかと思います。

 スランプってどうしても停滞のような意味合いに捉えがちですが、見方を変えて次の矢を放つためにギリギリと弓を引いている状態だと考えれば、決して止まっているわけでもないと思うのです。


 とまあ、長々と書いてきましたがこれは八割がた自分に向けて書いてるようなものです。実際、小説作品とは違うこの作品を書いてるうちになんだか少しスッキリしてきた気がしますし。


「文章の悩みは文章が解決してくれる」


 お? 今ちょっと良いこと言った、かも(気のせい)。


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