第11話

小さな鬼が明確な殺意を持ってこっちを見ている。スライムはどっちが前かもわからないからあまり気にしなかったけどこれが本物の殺意。


「俺が殺すぞ?」


「あ、あぁ。頼む。」


「よし、死ねええぇぇ!!!!」


「グギャッァ!!」

グシャッ


「う、うぇぇぇ。」


「…」


ギリギリ吐かなかったけど、殺した本人はきつそうだな。やっぱり普通にバイトした方がいいかもしれないな。


「つ、次はお前の番だぞ。」


「…は?」


「俺がやったんだからお前もやれよ。」


「わ、わかったよ。だけどそろそろ外が暗くなる時間だから帰りにいたらにするぞ。」


「おう。」


こんなことになるとは思ってなかった。時計持ってないから適当言ったけど大丈夫なのか?まぁ、大丈夫だろ。それに、行きはここまで1度も会わなかったんだから、帰りだってきっと…「いたぞ、ゴブリンだ!!」…クソがッ。


「グギャギャギャッ!」


やらないとな。やるしかないよな。よし!やろう。俺に怖いものはない!!でも俺の武器は短剣だ。ゴブリンは人に近い容姿だから頭か心臓を刺せば死ぬのか?正直、スライムだけだと思っていたからゴブリンはそこまで調べてないぜ。


「よし、ゴブリンさん。俺のために死んでくれ。」


「グギャァァァァッ!!!」

グサッ


吐かなかった。けんを見てたおかげだ。でもこの手の感覚はきついな。早く帰ろう。


「疲れたしそろそろ帰ろう。」


「そうだな。」


と、そういえば。


「なんで《鬼神化》使わなかったんだ?」


「一回二時間、1日三回までだからな。」


「はぁ!!?じゃあもう。」


「淳徒と会った時が三回目だから今日はもう使えないぞ?」


俺が安心するために連れてきたのに…。まぁいっかな。帰ろう。

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