第9話

あ…時計持って来るの忘れてた。今何時だろう?協会から貸し出された小袋もいっぱいになったし、そろそろ終わりかな。でも100匹は倒したのにレベル(位)上がらないんだけど、バグか?まぁ、そんなの聞いたことないけどな。


「うおおぉぉぉぉ!!」


「うわっ。」


ダンジョンが軽く震えたように感じた。でも聞いたことがあるような?………そうだ!昨日オリジナルスキルを手に入れてた人だ。もしかして、もうスキルが使えるようになっているのか。少し恐いが見に行こう。



………………………………………………



「なんだ、雑魚しかいないじゃないか。本気で走るとぶつかるだけで魔石に変わるし、もう少し下の階層に行くかな。」


化け物みたいな見た目だけど声がそのままだから何だか変な感じだ。


「!!!おいっ!そこで何してるんだ!」


!!バレたっ。20メートルは離れているのに。


「は、早く出てこい!!」


「ごめんごめん。凄い声がしたから見に来ただけなんだ。」


「ん…あんたは…。あそこにいたやつだな。えっと…あの………指導!!そうだ!指導にいたやつだな。だから覚えてたんだよ。覚えはいい方だからな。人の顔だけだけどな。」


「そうなんだ。でもなんであんなに大きな声出していたんだ?凄い響いてたぞ?」


「ここにきて一度も苦戦できなかったからな。もっと熱い闘いを期待してたんだよ。でもスキルを使って走るだけでスライムは死んでいくんだよ。楽しくない。」


「……なぁ、一緒に下行かないか?」


「なんでお前と?」


「俺が安心出来るからだけど?」


「正直だな。嫌いじゃないけどな。いいぜ。一緒に行こう。」


「次の階層からゴブリンが出るみたいだけど大丈夫か?」


「問題無いさ。お前は大丈夫なのか?」


「お前お前言うなよ。俺には百鬼淳徒って名前があるんだよ。お前の名前は?」


「そうなのか。俺の名前は乱獅子らんじし 剣志けんしって言うんだ。けんで呼んでくれ。苗字は少し恥ずかしいからな。」


「オッケー了解。よろしくなけん。じゃあ下に行くか。」


「おう。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る