第1章

プロローグ

「現代にダンジョンが出現し、早五年。ダンジョン法が施行され、さらに規制も強くなった今、ダンジョンが一般に公開されようとしています。私は一足先に迷宮探索免許証を取得させていただきましたので……。」


「ほんとにおかしな世の中になっちゃったなぁ。」


「何一人でぶつぶつ言ってんだ?」


「何でもねえよ。」


「そうか!!。」


こいつは中田広雪なかたひろゆき。俺の友人の一人だ。


「でさぁ、お前は取るのか?迷宮探索免許証!!!またの名を冒険者免許!!!!」


「うるさいな。もう少し小さな声にしろよ。」


「んだよ、つれねぇなぁ。楽しみじゃないのか?冒険者免許。」


「いや面白そうではあるけど…」


「だよな!!淳徒じゅんと!!」


まったく十八歳にもなってもう少し落ち着きを持ったらどうなんだろうか?


ひろは取るのか。」


「おう!当たり前だ。やっぱ淳徒は取らねぇのか?」


「そりゃ取るけど。勉強しとけよ?」


「お、おぅ。」


おいおい、目が泳いでるぞ。まったく、どうせこいつは試験日ギリギリになって泣きついてくるだろうが…まぁいいだろう。


「いやー、でも意外だったな。」


「何がだ?」


「淳徒が冒険者免許取ることが!!何で取ること決めたんだ?」


「金稼げるからだよ。」


「な……、夢ねぇな。中年のおっさんみたいだ。」


「別にいいだろ!!」


「でも、そんなに稼げるか?」


「小遣い稼ぎとしてはだ。大学もあるんだから頻繁には行けねぇだろ。」


「確か…、あった!

極小魔石が100円、(スライム等)

小魔石が1000円、(ゴブリン等)

中魔石が10000円、(オーク等)

大魔石が100000円、(オーガ等)

特大魔石が1000000円。(キマイラ等)

…だってさ!!」


「それに属性が付くと1.5倍だな。それと、たまに謎の本があるんだよな。まだ解明できてないから積極的に協会が買い取ってるみたいだけどな。」


「おー。スゲーな!!速く冒険者になりたいな!!!」


「そうだな」


そう簡単になれはしないだろうが、まぁいいだろ。


「さて、そろそろチャイムが鳴…[キーンコーンカーンコーン]…っと鳴ったな。」


ガラガラ


「お前ら席座れよ。」


ハーイ


皆やる気無さすぎだろ。俺もだよ。はぁ速く学校終わらねぇかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る