硬軟自在の読み味。

比較的親しみやすいグルメを題材としていて食材も例のアレという「出オチ」の烙印を押されかねない作品なんだけど、この作品のキモは作者の筆力が滲み出る解像度の塩梅だと思う。

安酒を飲み豚汁を作るシーンの高解像度に比べて、メイン食材にフォーカスしようとすると視線が揺らぎ焦点が合わなくなる。やがてカメラはレビュアーを離れ「死」を第三者視点から描写していく。

まさに硬軟自在。エピソードの長さも適切でついつい箸が進む作品だ。

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