乾いた心

心が乾くというのは

悪いことではないのだ

日照り続きの乾いた大地の様に

じめじめした愛憎を

ねばねばした情念を

遥か彼方へと押しやって


そうして残ったのは

カラカラと音を立てて回る風車の笑い


不安を煽る暗雲も

涙を呼び起こす雷雨も

既に消え去った


良く乾いた干し草の朗らかな匂い

日に焼けた煉瓦の明朗な音

そんな物だけがシンクロして


ああ 世界は愉快だ

世界は輝いている

一摘まみの虚しさを隠し味にして

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