詩集 百万年の孤独

夢咲香織(ユメサキカオリ)

百万年の孤独

私は今 こうしてここにいる

百万年の時を経て ここにいる

肉体が生まれたのはわずか数十年前

だけど 

精神はまるで百万年の孤独を生きた様


百万年前から沈黙して

百万年前にとうに涙は枯れ果てて


それでも何かを待っている

希望に胸踊る夜明けを

恋は永遠に繋がるという淡い期待を

愛は無意味ではないという確固たる証拠を


百万年分の痴呆にも似た空白

百万年分の乾いた心の音


それらがひたひたと空間を浸して

それらが悶々と身体を揺らして


生きるとは孤独だ

生きるとは孤独に慣れる事だ


愛せよ百万年の孤独を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る