第9話 女って?

それから私は気分転換に携帯を変えた。



その後、何人かと付き合ったものの関係を持たないまま別れる事がほとんどだった。


中には関係を持つまでいきそうだったけど私は生理だからと誤魔化していた。


正直、どう対応すべきなのか分からず自分から関係を持とうという気にもならず、出来れば避けるようにしていた。




そんなある日の事だった。




「彼女、1人?」



用事で出掛けた帰り、ナンパをしてきた人がいた。




「ねぇ、向こうに友達がいるんだけど、一緒に出掛けない?」


「えっ?あ、ごめんなさい…私、まだ用事が…」




グイッ

私の肩を抱き寄せる。




「いいじゃん!別に出掛ける位。何するって訳じゃないんだしさ」


「そんなの分かんないでしょ!」




ガッと私は相手の足を蹴った。



「ってー、この女っ!」




グイッと腕を掴む男の人。




「頭きた!付き合いなっ!」

「嫌っ!あんたこそ他当たってよっ!他にもいる…」




グイッと肩を抱き寄せられたかと思うと、小さなナイフを見せ脅された。




「黙って着いて来な」



「……………」



私は従うしかなく付き合う事にした。




向かった先は、とある部屋だった。




グイッと腕を掴まれ、キスをされると何かを飲まされた



一瞬の出来事だった。



頭がボーッとなり気を失った。



ふと目を覚ました瞬間、私の目に飛び込んだのは、男の人が裸になっている姿。



数人の人に押さえつけられ身動きが取れない状態だった。



「目、覚ましたようだな」

「は、離してっ!」

「本当、相変わらず静かにしねー女だな」

「その口を黙らせて他の事で聞かせてよ。初めてじゃなさそうだし」


「えっ?」




1人の人が私の上に股がり、一気に熱が私の身体の中を貫いた。



その後、数人の相手をする羽目になり、私は自分が女という事に後悔した。




「この事を警察(さつ)や誰かに話してみな。お前の物(ぶつ)が世間の誰にでも渡るからな!」




そう言われ私を解放した。




「……………」






女って男の何?


遊び相手?


おもちゃにすぎないの?


お金の為だけの利用者?




どうして


好きでもない人に


もて遊ばれるの?


好き勝手されるの?




「歌音っ!」



私の名前を呼ぶ声。


私は振り返る。




「…優……綺…?」



私は崩れ落ち抱き止められ涙が溢れた。



「移動しよう」



私達は頷き移動した。


向かった先は優綺の部屋だった。


ベットに私を座らせる。

 


「ゆっくりしてな」



そういう優綺の腕を掴みグイッと引き止める。



「歌音?」

「傍にいて…」



優綺はキスをすると私を抱きしめ隣に腰をおろす。



「話したくないなら無理に聞こうとは思わないけど」



私は重い口を開き話をした。



「そうか…辛かったな。良く話してくれたな」



私は首を左右に振った。




「歌音、取り敢えず体を休めな」



私は、優綺にキスをした。



「歌音?」

「優綺、不安を取り除いて」

「えっ?」

「それとも、優綺以外の男(ひと)に抱かれた汚れた私なんか抱け…」




キスをする優綺。



「歌音っ!そういう言い方は辞めろ!」



私の両頬を優しく包み込むように触れる。



「お前は悪くないから。お前の意思じゃねーじゃん!知らない男に連れて行かれたんじゃん!」



「…優…綺……」




私は優綺に抱きついた。



「……………」



「歌音…」



体を離すと優綺はキスをし、オデコ同士をくっつけると、再びキスをし、優しいキスをし、ゆっくりと倒していく。




「歌音…何も考えなくて良い。さっきの事を忘れろ!俺に委ねな」


「…優綺…」



今まで以上にない優綺のやさしくに私は、優綺に身を委ねた。



しばらくしてスヤスヤ寝息をたて眠っている歌音を見つめながら俺は呟く。




「本当…高校生で色々と辛い思いし過ぎだろう?お互いの想いが一つになる以前よりも…付き合っていた方が良いのかもな……」




俺は歌音にキスをした。



「優綺…」


「歌音?起こした?」

「ううん…大丈夫…優綺…いつも…ありがとう」

「えっ?」

「本当…優…綺は…いつも私の助っ人だね…?」


「歌音…」


「優綺の事…好きになって…お互いの気持ちが一つになった時…本当の幸せ…手に出来るかな?」


「本当の幸せと永遠の幸せじゃねーの?その時は、お前の事…一番に考えてやるよ」


「…優…綺…うん…」







































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