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 これは瓶の手紙だ。


 どこの誰とも知れぬあなたに宛てて、電子の海に流された手紙。


 ある有名な推理小説で完全犯罪を成し遂げた犯人がそうしたように、わたしはわたしの秘密をここにしたため、海へと流す。


 ただし、殺す側ではなく殺される側として――


 確かな事実として、わたしは遠からず死を迎える。


 それがいつになるかは「彼女」次第だ。


 わたしは「彼女」に殺されるかもしれないのだから。

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