せかぼく学園放送部-お便りコーナー「日常困ってることとかありますか」

秋葉「せかぼく学園放送部。なんで学園なの?でも学生って言ってもおかしくない年の人ばかりだからまぁいっかと思い始めた副部長の秋葉です」

忍「秋葉がさりげなく、オープニングから自分の思いを主張するテクニックを覚えた」

秋葉「お前がいつもやってるんだろ」

司「諦め顔になってるぞ」

忍「得意技だからねー」

秋葉「もう部とか言ってもほぼほぼいつもの三人で雑談してるだけだし、大していつもと変わらないことがわかりま し た(なげやり)」

忍「はい、割と素晴らしいテンポでお便りがたまっていきます」

司「……本当にどうでもいい質問でも話になると知られてきたんだな」

秋葉「本日のお便り、西の島っぽい地方に住んでる湊さん。『みなさん普段困っていることはありますか?私は自動ドアが開かないことがよくあり、ちょっと恥ずかしいです』

忍「あるある。」

秋葉「いや、ないよ?」

忍「あれ、センサーなのに足踏みする人いるよね」

秋葉「そう言われれば、それは見たことある」

忍「私も開かない」

司「コンビニとかな」

秋葉「え、司さんもですか?」

司「いや。時々忍が何度もセンサーに手をかざしているのに全然開かないさまを見ると重量で開くのか?と思うことがあり」

忍「デパートなんかの手洗い自動水せんが全然反応しなくてイラッとすることが結構ある」

秋葉「……お前ステルス機能ついてんの?」

忍「出てもすぐ止まるんだよ。手洗いなんて3秒で終わるわけ無いだろと。それを何度も繰り返す羽目になりさすがにイラっとしてしまう話」

秋葉「……お前がイラっとするとか、5回や6回じゃすまないんだろ」

忍「リトライ回数二桁になる」

司「それは確かに地味に来るな」

秋葉「場所が悪いんじゃ?」

忍「そう思って他の人見てたら出てるし、そこに移動したけど出ないし」

司「……ステルス機能確定だな」

忍「誰か、オフにして」

秋葉「名前のせいかもしれないから、改名してみたら?」

忍「→『忍ばない』とか?」

司「呼びづらいだろ」

忍「シノフ」

秋葉「濁点ぬいただけだろ、なんか気が抜ける」

忍「思い出した。自分の名前打とうとしてたまに死のうって出ることもあり」

秋葉「おかしいだろ。なんでそうなるんだよ」

司「『b』のキー入力が弱いか入力早すぎて反応しないかだろ」

秋葉「あぁ忍はパソコン派だもんな。それなら納得」

忍「死なないよ、誰も希死してないから、とつっこみつつ私は深層心理で何か抱えているのだろうかと複雑な心境」

秋葉「ないよ。ただのタイプミスだよ。そこまで考えるなよ」

忍「秋葉は? 日常困ったこととか」

秋葉「え? オレは………………」

忍「いいよね、すぐさま困りごとが思い浮かばない人は。困ってない」

秋葉「否定しないけども! 自動水栓が反応しないってそんなにすごい悩み!?」

司「日常困ることだから、どうしても身近で小さな話題にはなるんだろうな」

忍「例えば、一木くんに会うたびに先輩―って捕まって、神魔の話せびられるとか」

秋葉「あぁ、それな」

忍「公爵のところに行くとなんだかんだでいつもいじられるとか」

秋葉「ホント困るよな」

忍「局長に街中で会うと大変なことになるとか」

秋葉「迂回したいよな」

忍・司「……」

秋葉「?」

忍「それだけ日常に即した困りごとがあるのに、秋葉の口から出ないってことは、本当は困ってないレベルなんじゃないの……?」

秋葉「絶対今の全部困るレベルだよ! ただ出てこなかっただけだよ!それ全部困ってません、いつものことです、ってメンタルだったらそもそもターゲットにされたりしないだろ!?」

司「そこはわかってるんだな」

忍「司くんは?」

司「放っておくといなくなりそうなメインキャラの護衛と、放っておくと死んでしまいそうなメインキャラの護衛」

秋葉「司さん!?」

司「死んでしまいそうというのは物理的な話ではなく、いろんな意味で」

秋葉「あぁ、そうですね……(遠い目)」

忍「いいなー放っておけない、って思ってくれる人がいるの」

秋葉「いや、前者は明らかにお前だよな?」

忍「放っておけないの意味が違うと思うんだ。後ろの人は純粋に何だか放っておけない、助けようみたいな感じがするのに、前者はなんか放っておくと何が起こるかわからないから放っておけない、みたいな」

司「……(否定はしない)」

秋葉「後ろの人とか言わないでくれる? もうふつうに名前で言ってくれていいから」

忍「人間の悩みは九割以上が人間関係というから、社会人になると困りごとはどうしてもそんな話になりがちだよね」

秋葉「確かになー」

忍「日常に即した困ったことを正確に答えたのは私だけだったわけですが」

司「釈然としないな」

秋葉「困りごとって意外と、その場にならないとわからないものだよな」

司「確かに、自動水栓が反応しないとか毎日起こることじゃないことが毎日脳内で困りごとだと認識していたらおかしくなる」

忍「正常人間組が結託を始めた」

秋葉「いや、そうじゃなくて。常に頭の中には入れておかないだろ、小さいだけにという話」

忍「『公園の飲み水式の水道をひねると、ものすごく高く噴出してしまう』」

秋葉「ある!! すっごい困るし恥ずかしい!!」

司「ほとんど使わないだけに、加減がわからないんだよな」

忍「私は司くんとか秋葉が周りにいる時はわざとやるの好きだけど」

秋葉「それな、ただの悪戯」

司「……不知火を散歩していると、知らない人に驚かれる」

忍・秋葉「わかるけど、仕方ないです」

秋葉「あ、オレ、ぼーっとしてるとエレベータで間違えた階押すとかある。人がいるとなんか申し訳なくなる」

忍「キャンセルコマンドを打てばいい」

秋葉「ゲームじゃねーんだよ」

忍「ホントだよ。メーカーによって違うんだけど、基本は二度押しか長押し。開ボタンを押しながら間違った階を押す、とか隠しコマンドみたいなキャンセル技を仕込んでいる会社もある」

秋葉「……え、それホントなの?」

司「森も知っていたが、それで駅ビルのエレベータキャンセルできたことがあったから、本当みたいだぞ」

忍「さらに五連打というもう、それ失敗したら周りから見たら『この人何やってるの』状態のコマンドの会社もあった」

秋葉「みんなが使いやすいようにした方がいいんじゃないのか? キャンセルとか普通に利用者の一般人しか用ないよな……?」

忍「上上下下左右左右BAは自爆するかもしれない」

秋葉「何の話?」


というわけで、湊さん、秋葉と司くんにすぐに思い出すほどの日常の困りごとはあまりないようです(きっと思い出せばたくさんある)。


忍さんはいろんなところで多分、困ってます。

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