七瀬七々実の七週忌
22時55分
四宮七々実
第1週忌
無機質な鼠色をしたコンクリートの壁と床、機械の騒音と蒸気の吹く音が絶えずに騒めく地下のボイラー室。
「なな、み。。。にげ。。。。。」
「お姉ちゃん、ごめんね。。。?
次は必ず、私がお姉ちゃんを守るから。。。絶対に、護るから。。。。。」
その妹は止めどない血溜まりを腹這う姉に、涙を噛み締めた笑顔を見せる。今際の際、逃げなさい。。。と最期の力で自分へ伸ばされた弱々しい手を握り締め、精一杯の笑顔を造って見せる。
「。。。香澄、アンタが悪いのょ?
ワタシとずっと、ずっと一緒って言ったのに!私が居れば他には誰も要らないって言ったのに。。。。。なのに!!!!!
こんな!小さいだけの!ブスに!!!アンタが!アンタが!!アンタが!!!アンタがァァァァ!!!!!。。。ハァ、ハァ、ハァ。。。。。」
冷たいボイラー室の床を腹這う姉に馬乗り、ズブズブ、ズブズブと何度も振り下ろされるトドメの狂刃を前にしても、妹は姉の眼から光が完全に消え去るまで涙を湛えた最後の笑顔を止めはしない。
その死に様を目に焼き付ける様に、優しいお姉ちゃんの苦しみを眼に刻み込む様に。。。。。
「。。。ねぇ、いつまでその汚い手で香澄に触ってんのよ!この泥棒猫が!!!!!」
「。。。ゲホッ!」
「チッ。。。蹴られても悲鳴一つ上げないなんて、本当ムカツクガキね!
。。。何?その目♪あ、もしかしてぇ〜、お姉ちゃん
その小さな体を蹴り飛ばされ様と、
「安心しなさい。。。♪
アンタは香澄と違って楽にはイカせない。たっぷりと時間をかけて、お仕置きしてあげるから!!!」
殴られ、刺され、抉られ、手足や関節を潰され様とも。
その妹は声も上げず、姉の最期を、仇の姿を、自らの死に様をその眼に刻み込む。。。視界が真っ赤に染まり、何も見えなくなる最期の瞬間までジッと総てを睨み付ける様に。。。。。
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