第38話 勝負の結果
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称号[キャプテン]
ランク:B
効果:HP+200、MP+200、攻撃力+200、防御力+200
説明:海賊ウィリアム・キッドの亡霊を倒したものが獲得出来る称号
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ロア・フォイル 19歳 男
称号:[キャプテン]
レベル:470
HP:2865/2865 MP:3700/3700
攻撃力:1140
防御力:720
ユニークスキル:【アイテム作成】【魔法創造】
魔法:《生活魔法》《火槍》《アイテムボックス(極小)》《豪火球》《投雷》《稲妻雷轟》《紫電一閃》《身体強化》
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海賊ウィリアム・キッドの亡霊を倒すと、俺も一気に身体の力が抜け、その場に崩れ落ちた。
レベルが上がってHPが全快してくれたので、亡霊に蹴られた痛みは消えてくれたが、極限の集中力を発揮していた反動がやってきた。
「はは……マジでなんの罰ゲームだよってな……」
「ロアさん!」
地面に倒れた俺のもとへソニアが駆けつけた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ああ、問題ないが……地面が硬くて痛い。ソニア、膝枕してくれ」
「えっ……は、はい……わ、分かりました……」
あ、いいんだ。
言ってみるもんだな。
「ど、どうですか?」
「柔らかくて心地いい」
「そ、それなら良かったです……」
ソニアは顔を背けた。
頬はほんのりと赤くなっていた。
「……そ、それにしてもロアさん、どこかで剣術を習っていたんですか? 魔法だけじゃなくて剣術も凄いなんて私、ビックリしました」
「冒険者を始めたときにちょっとだけ基本を教えてもらったな。あとは適当に魔物を1年間狩っていた」
「……それだけ?」
「それだけだ」
「多分、ロアさん剣術の才能ありますよ……。ちゃんと指導してもらえればとんでもない剣士になるのでは……?」
「別にそれはいいかな。俺は剣を振るよりも魔法をぶっ放す方が気持ちいいし、楽しい。そして何より、俺は魔法を極めようと決めているからな。どっちも鍛えて中途半端になるのが一番嫌だ」
「なるほど、ちゃんと考えられているんですね」
「と言ったが、理由のほとんどはめんどくさいという感情が占めている」
「そんなこと言ったら台無しですよ……」
「はっはっは」
さて、そろそろご褒美の時間も終わりにしよう。
今はジェイク達との勝負の真っ最中だ。
まぁエクストラボスなんてイレギュラーは発生したけど、まだ時間はジェイク達よりも早いはずだ。
海賊ウィリアム・キッドの亡霊を見ると、肉体は消えていて、その場に魔石だけが残っていた。
立ち上がり、Bランクの魔石を回収して、俺たちは転移結晶に触れた。
◇
ダンジョン前に戻ってくると、そこで[マジックタイマー]はストップとなった。
結果は1時間29分。
ジェイク達よりも少しだけ早いタイムだった。
「なっ……ば、ばかな!? あ、ありえねぇ! 俺たちより早く戻って来られる訳ねえ! ……魔石だ! 早くボスを討伐した証拠の魔石を出せ!」
「ほら、魔石だ」
俺は《アイテムボックス》から魔石を二つ取り出した。
周囲の見学者達は、突如現れた魔石に驚きの声をあげた。
「二つ……? ふむ、片方はCランクの魔石よりも大きいな」
これから魔石の鑑定をするイヴァンは不思議そうに言った。
「ふ、ふん! さてはお前、事前に魔石を用意してたな!?」
「鑑定してみれば分かるさ」
「そうだな。ロアの言う通りだ。──《鑑定》」
イヴァンは鑑定した後、表情に驚きの色を隠せないでいた。
「す、すごい……。ロアはこれを一体どいつから入手したんだ……?」
「エクストラボスの海賊ウィリアム・キッドの亡霊ってやつからだよ」
「エクストラボス!?」
審判を務めていたギルド職員が反応を示した。
「エクストラボスはCランク以上の限られたダンジョンでしか出現しないはず……! ルンベルクのダンジョンで出現するなんて聞いたことがありません!」
「でも鑑定結果が全てを物語っているだろ?」
まぁ俺が【アイテム作成】で魔石を作ることも出来なくはないんだが、それを伝えるとめんどくさそうだ。
実は今回の勝負もCランクの魔石を作成するというズルをすれば、楽に勝てた可能性が高い。
【アイテム作成】で作成した魔石がどう鑑定されるか、そこが不明だったし、ボスを倒す予定もあったので、実行には移さなかったけども。
「そうですが……エクストラボスが出現するには条件があると聞いたことがあります。その条件を教えてください」
「情報提供料とかくれるのか?」
「ぐっ……分かりました。2万ムルお支払いします……」
「いいね。それなら教えよう」
俺はエクストラボスの出現条件を伝えた。
おまけにエクストラボスが現れると[転移石]が使えないということも伝えておいた。
これは知っている人は知っている様子だったな。
「……ってことは、じゃあロアは普通にダンジョンボスを倒したうえでエクストラボスを倒して、俺たちよりも早いタイムだったってことか?」
えーっと誰だっけこの人。
たしかイワンって名前だったかな。
「そういうことになるな」
「ハッハッハ! マジかよそれ! ジェイク、俺たちの完敗だな」
「……ッチ、悔しいがそういうことらしいな」
君、割と素直だね。
ちゃんと負けを認めてくれるのか。
カーターとか最後まで負けを認めてなかったというのに。
「……悪かったな。お前のこと馬鹿にして」
「ん? なんか馬鹿にしてたか?」
「……くっくっく、まったくてめえはすげえな。大物だよ」
「おう。ありがとな」
ジェイクがなんか褒めてくれたが、よく分からなかったので俺は適当に返事をした。
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