同級生に貶められて高校受験に失敗した俺は女子校に入学したんだが、ハーレムパラダイスになることなど予想だにしなかった。 【GALS PLUS ONE】

雲川はるさめ

第1話

高校受験に失敗した俺→

ほぼ女子だけの学校でハーレムパラダイス

に見舞われた【スカッとする話】


俺の入学先の高校は元女子校。

男子の受け入れは今年からのせいもある。


男女比は9:1くらいだった。

そんなわけで。1年1組の

俺の座席は、ギャル系美少女に包囲された。

しかも揶揄い癖のある、不良女子たちだった。


一番派手な金髪ロングヘア女がハルって名前で。


茶髪ボブがナツって名前の女。


更に、黒髪なんだけど、目つき鋭い

ロングヘア女がアキ。


最後に、赤毛のショートカットなんだけど、

胸の大きい女が冬の子と書いてトウコだった。


「山吹くん!ちょっと私の太もも見てみない?

ねぇ、そそる?」


今のセリフはハル。

四人のなかで一番厄介なギャルだった。



「あ、いや、あのな...」


「やめてほしいな...」


「またまたぁ!嬉しいくせに!

大人向け雑誌を、みて興奮するより、

やっぱり、生身のオンナのほうがいいっしょ!?」


バシーン!と肩をたたかれた。


女のくせに凄い力だった。


「ひ、非常に困る..,」


「あ、赤くなったぁ!かわいいー」


「ハルより、私のほうが足、きれいだよね?

ほーら、足首も引き締まってるし、

どう?」とナツ。


更に、アキも、

「限界までスカート短くしてあげる。ちょっと待ってねー」


などと言い、俺が真っ赤になっていくのを

至極、楽しんでいる節があった。


昔聞いたことがある。

誰が言ってたは忘れてしまったが、

女子の中に一人だけ男が混じると、

その男の外見にかかわらず、

モテてしまうらしい。


それ、いままさに、この状況のことを

言ってそうだ。


一年一組は

女子だけのクラス。


男子は俺一人だけ。


高校おちたら、まさかのハーレムパラダイスだった件!



現在から遡ること、約二ヶ月前。

三月某日。

高校受験後の合格発表のとき。

第一志望の県で一番の進学校の

掲示板に貼り出された、合格者の受験番号を

何度も見たが、俺の受験番号は見当たらなかった。


大方、予想はしていた結果だが

受験に落ちた、というのはかなり惨めなものだった。


「よぉ、シンジ!おまえ、残念だったなぁ!

進学校に落ちたことで、将来は負け組決定だなぁ!」


「わりーけど、俺は受かったから!

青春を存分に謳歌しよーと思ってる!!」


お、おめでとう...、


という言葉をかける気が失せていて。

俺は唇を噛み締めていた。


俺が受験に落ちたのは、

目の前でにやにやしてる藤島のせいも

少なからずあると思うんだ。


中学時代はいつもテストの成績は俺が一番で、

藤島は悔しい思いをしてた。


だから、俺の足を幾度となく引っ張って

その地位から転落させるべく動いていた。


受験前もそうだ。


DQN藤島に傘をとられて

大雨の中、

濡れて帰った俺。


そのせいで、

熱が出てしまい、何も考えられなくなってた。

いつもならスラスラいける展開公式さえ、うまく使えず、ケアレスミスを連発したんだ。


こうして、高校受験に失敗した俺。


でもな。


二次募集の元、女子校で

今年から男子も受け入れ体制の学校に

行く羽目になるが。


そこで思いもよらぬ、ハーレム展開が

待っていることなど、このときの俺は考えも

しないし、藤島だって、俺が

青春を楽しむリア充になるなど

予想だにしなかったと思うんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る