YOASOBI

たぶん を聴いて※男女視点①

『奏の物差し』より

※注意

男性作者が描いた女性主人公のエピソードになります。

男性作家の書いた女性向けの恋愛小説などに強い違和感や抵抗がある方は読むのを控えていただくことをおすすめします。



「探したぞ奏!」


「……ヒロ?」


「お前なんで真冬のこんな夜中に公園なんかにいんだよ!

危ねえし、風邪ひくだろ」

「来ないでっ!!!」


え・・・・・・?


「奏……」


「私もう、あなたの話、聞きたくない!」


「本当にごめん」


「あなたのごめんなさいとか今更いらない」




「あの人……、先輩には

お前との関係をよくする為に相談にのってもらってたんだ」


「嘘。

ねえ、どうして?」


「え?」


「どうして、私の知らない女性の部屋で一泊しておきながら、

そんな風に何もなかったって平気で言えるの?」


「俺だって必死なんだよ。

日雇いのブラック企業を辞めて、もっといい会社で働きたいって。

お前との暮らしをもっとよくしたいから、だから俺は仕事と勉強で休みなんてねえ、

ヘトヘトなんだよ!

男にだって誰かに愚痴ぐらい聞いて欲しいときあんだよ!!」


「じゃあ、なんで私に相談してくんないの!!!?

私が心配して聞いたとき、

あんたいつも、

"一人にさせてくれ"じゃん!!」


「それは……」

「結局そんなのって、あんたにただ都合がいいだけの言い訳じゃない!?」


「それはなー!!!

お前に対してあーしろこーしろ言いたく無かったからだよ!!」


「なんで!?

そう言うときって腹を割って話しあうんじゃないの?」


「俺が大変なようにお前も家事で毎日寝る暇もなく大変なの、俺だってわかるからさ」

だから俺は、俺の感情任せにお前に負担をかけたくない。

悲しませなくないんだよ」


「わかってない!

あんた、私のこと本当に

ぜんっぜん、

わかってない!」


「なんでだよ!?」


「私はね、あんたに隠し事されるのが一番傷付くんだよ!」


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