幻想ハイ菓ラ奇譚

莉子

暴食

 

 春のように華やかさの中に少しの甘酸っぱ

さを入れて

  

 夏のように見るものすべてが透きとほり

一瞬のしょっぱさとさわやかさが駆け抜ける


 秋は大地のぬくもりにちょっとのビターを隠し持ち


 冬は甘く優しくあわゆきのように冷えきったものを溶かしていく


 そんな四季折々にすがたかたちを変える

奇奇怪怪なものたち


 行きとし行けるものたちの

脳髄・神経・五臓六腑を余すことなくオ菓シいく


 それはそれは喰い尽くしてしまうほどに


 知らぬ存ぜぬかお見て影でコソコソ嘲り笑う


 かわいいなりには毒を持つ


 ゆっくりゆっくり追いこむほどに


 そんな未知なものたちとの少し変わった愛しいひととき


 これにて上演致しましょう


 もっともっと恋焦がれてもらうためにー


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