第15話 キツネは変化よね!

 ソウガとドンガさんがウチに来た。


 参戦の意志を確認する為だ。


「遊びじゃないぞ? 命懸けだ。本当にいいんだな?」


「微力ですがこの国の役に立ちたいんです」


「分かった。助力に感謝する。ソウガ、お前の新兵部隊にハルカを配属する。しっかり守るんだぞ」


「承知しました国王様」


 ソウガは胸に拳を当てた。


 ん? 今、国王陛下って言った?


「あの〜 国王様って?」


「父ちゃんはドワンゴ国の王様だ。普段は別にいいけど戦いの時はドンガ王と呼ぶんだ」


「すまんがドワーフ族の掟だ。ハルカもそう呼んでくれ。周りの国々とは比べられんの極小の辺境国だが国は国だ」


 それからドワンゴ国の現状をドンガ王が説明してくれた。モンスターに国土の大半を占拠され、苦境に立たされてここまで退却して来たそうだ。


「ソウガよ、ハルカはゴブリンを倒せる実力者だ。しかし、魔法使いは防御が弱い。お前がハルカの盾になれ」


「はい! 国王様! 命を賭けハルカを守ります!」


 う〜ん……倒したって言っても動いているモンスターを倒した事は無いんだけどね。


 ソウガに連れられ新兵部隊の顔合わせに向かった。ドワーフさん達が住む洞窟に入るのは初めてだ。

 洞窟に入ってすぐの所に門があって、そこにメンバーが待っていた。


 新兵部隊の編成


 隊長 戦士ソウガ、副長 戦士プラム、大魔導 ハルカ


「新兵部隊はオラとプラムとハルカ、合わせて3名だ」


「戦士プラムよ。よろしくね」


 ソウガよりも更に背の低いドワーフ族の可愛い女の子。私の半分位の身長ね。弟くんと同じ位かしら。


「大魔導のハルカです。よろしくお願いします」


「大魔導? 聞いた事が無いわね。魔導士みたいなもの?」


「そんな感じかな」


「しばらくはベテランの部隊と一緒に行動する。迷惑が掛からない様にしっかり指示に従う様にな」


 初戦は1週間後に決まった。2人共、戦闘経験無しだけど訓練は小さい頃からやっているそうだ。


 ウチに帰ると弟くんが待っていた。


「お姉ちゃん、戦闘に参加するんだって?」


「ごめんね、自分も何かしないとって……」


「お姉ちゃんの自由さ。でも、最初は支援役をやって欲しいな。それだけでもドワーフさん達は助かるはずだよ」


 それから特に変わらない日常が続いた。私はひたすら生産系のジョブレベルを上げ、採掘師と大魔導のレベルに移した。

 弟くんが裁縫セットを買って来てくれたので裁縫師のジョブも増えた。



 ハルカ  大魔導  レベル  100

      採掘師  レベル   30

      錬金術師 レベル    1

      裁縫師  レベル    1

      

 特殊魔法   狐火   追加効果 燃焼継続


 スキル  重量上げ  大   常時発動

      鉱物探知      常時発動


 特殊スキル  移点の尾  経験値を他ジョブに移す

              1日1回使用可能


        変化へんげの尾  姿を変えれる

   

    

 大魔導レベル100と採掘師レベル30達成!!


 新しいスキルも習得したよ!! さっそく試してみる!


「変化の尾!!」


 コン!


 赤色の尻尾が1本増えた!


「シュンに変化!」


 コン!


 可愛い弟くんになっちゃった。


「ドンガさんに変化!」


 コン!


 ドワーフ族にもなれちゃうよ。


 でもこのスキル使い道無いな……


「戻って!」

 

 コン!


 ちょっとガッカリスキルだけど狐っぽくていいよね!

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