8話 狩猟

 ぴよ、ぴよ、とわざとらしい鳥の鳴き声。




「サトシ、獲物はどこ?」


「北に23メートル、東に324メートルだ。」




「僕が行く!一瞬で狩るよ!十文字斬り!」


 熊型の魔物に全力でリョースケは刃を振るう。




 熊型の魔物、ベアプラスは死んだ。俺はそのベアプラスって名前どうにかならないのか?などと考えながらベアプラスの死体を魔法の袋、魔宝庫に入れる。




 話していないが、そもそも魔物って何だよ。


《動物が魔力を大量に取り込み、魔力を暴走させた姿です。取り込んだ魔力によってステータスは上がり、魔法技術も高くなります。生殖行為によって繁殖することも可能になり、繁殖力も通常の動物と一線を画します。》




 らしい。ちょっと良く分からん。




「次は、どこにいるのですか?」


 エリーゼ可愛いぜ!




「ああ。南に406メートル、西に46メートルだ。」


「私がやるわ!槍投げ!」




 イルマが投擲用の槍を投げると、猪の魔物ワイルドボアは動きを止められ、イルマの短槍に心臓を一突きされてあっけなく死ぬ。




 死体を例のごとく魔宝庫にしまっていると、リョースケが口を開いた。




「一撃で仕留めるなんて、イルマは化け物……。」


 おいリョースケ!それは駄目だ!イルマに殺される!




「ん?なんか文句ある?」


「いいえありません!」


「ふふふ……。」




 エリーゼが引いている。引き攣った笑みを浮かべて。




「さっきの奴が熊で、今の奴が猪だな。ベアプラスとワイルドボアか。」


「ベアプラスの単価は12500マネから23000マネね。」


「ワイルドボアは22000マネから45000マネでしたよね。」


「今の株価、景気を考え、サイズも考慮して計算するとベアプラスは20000マネ、ワイルドボアは30000マネってとこかな。」




「四人で頭割として考えると100000マネ位は生活費が必要だよな。」


「いや、サトシ以外、親がいると思うけど。」


「そうか……。」




《私は100000マネ持っています。》


 どうやって保存している。




《陛下のステータスを見せましょうか?》


 何故そうなった。




名前:中村サトシ


性別:男


Lv.6 精神Lv.100 +20


天職:魔法使い


目標職:大賢者


年齢:12歳


通常戦闘力:450


現在戦闘力:450


魔法戦闘力:1050


攻撃:120


防御:150


速度:180


魔力:1050


筋力:230


体力:450


現存体力:440


生命力:1000


現存生命力:1000


能力スキル:小賢者<無属性適性、全属性適性Lv.23、魔道具作製、魔法展開速度強化Lv.31、魔法強化Lv.23、集中強化Lv.43、詠唱省略Lv.3>


想像者<魔法創造Lv.13、能力強化、発想強化Lv.11>


成長<成長効率Lv.23、成長速度強化Lv.23、成長促進>


補助人格<高速思考、全知、自我>


家事、小剣術Lv.20、威圧


魔法:<身体強化Lv.100 身体強化ex 身体強化ex+>、<回復Lv.2>、<疲労回復Lv.100


疲労高回復Lv.24>、<魔法障壁Lv.21>、<基本属性魔法(炎Lv.4、波、雷Lv.3、地、嵐


Lv.2)>、<魔法剣(炎Lv.5、雷Lv.3)>、<特殊属性魔法(聖Lv.2、魔、闇、氷Lv.44、


精霊、妖精、妖、霊、蒼(使用不可))>、<火弾Lv.3>、<炎弾Lv.4>、<雷弾Lv.5>、


<水弾Lv.2>、<嵐弾Lv.4>、<岩弾Lv.3>、<水球Lv.2>、<水盾>、<能力見眼Lv.6


>、<火槍>、<炎槍Lv.2>、<電槍>、<雷槍Lv.3>、<水槍>、<波槍>、<風槍Lv.9


>、<嵐槍>、<岩槍>、<地槍>、<聖光>、<聖光線>、<魔力弾Lv.76>、<炎壁>、


<空間収納(小)>


付与効果:魂保護Ⅰ、死亡強化Ⅰ


称号:死者Ⅰ、転生者Ⅰ、魔法使いⅡ、異世界勇者Ⅰ




《いくらサトシ陛下の、<空間収納>が小さいといっても、倉庫一つ分はあります。結構な化け物ですよ。と言う事でそこにしまっています。》


 失礼な!でもマジかよ。俺は、倉庫を所有しているのか。倉庫を何もないところに忍ばせられるとかキモイ。




「サトシさん……。サトシさん……。」


「ん?何かあったか?」


「何かあったか?じゃないですよ……。私、サトシさんが死んでしまったかも、と思っていたのですよ?」


「おお、まじか。ごめん。心配させたな。」


「ホント、よかったわよ。」




「でもなんで俺が死んだと思った?怪我もしてないし、病気でもないよ?」


「サトシ……。胸元をちゃんと見なよ……。」


 俺は、胸元を見た。


 血がべっとりついていた。




 なんで?


《少し前にさかのぼります。サトシ陛下の視点を極力再現します。




 俺は、話し合いをしていると、虎型の魔物に襲われた。




 虎は、腕を振ると、爪で攻撃をした。


イルマが槍で防ぐが、俺は全く動かない。


「ちょっとサトシ!」




 次の攻撃で、俺は胸元を切られた。




 しばらくして、リョースケたちで虎型の魔物を撃退したが、俺は動かない。


「大丈夫ですか?」


 エリーゼが声をかけるが、俺は動かない。




「サトシ?生きているわよね、サトシ。」


「おいサトシ!エリーゼちゃん、泣いているぞ!」


「生きていますよね⁉サトシさん!」


「……死んだ?」


「まさか⁉」


「サトシさん……。サトシさん……。」


 そして現実に戻ったという訳です。》




 マジか。




「……という訳だ。」


「なるほど。」


 聞いてないけど。




「良かったです……。」


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